日本の労働生産性が半世紀も先進国ビリの理由
東洋経済オンライン
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◆労働生産性を考える別の視点
日本の労働生産性が低い理由を産業構造の違いではないかという仮説で語っているのは非常に興味深い。日本企業、特に製造業は海外に輸出するのではなく海外で生産して稼ぐようになった。そうすることで国内の人員を海外で養う図ができるが、この場合国内の労働生産性は増加しない。国内の不要な人員を保ったまま海外の売りで養っているとも言えるし、逆にどんどん出張や駐在して海外の労働生産性を上げてもそれが統計上反映されないのかもしれない。
またこの記事ではもう一つの視点として日本は中小企業が多いという点も上げられている。大企業の方が共通業務を集約する、インフラ投資ができるなどから労働生産性が高く、小さな企業体が多ければ多いほど労働生産性が低下する傾向にあるというのはなるほどなと感じる。では、日本国内の労働生産性を高めるために中小企業の統合をすべきかというのはなかなか難しい論点だ。労働生産性をKPIにおいてしまうとそうした判断をしかねないので注意が必要だろう。
日本企業の労働生産性が低い理由はもちろんここに書かれた以外にもあるだろうが、こうした社会・産業の構造的な理由は大きなインパクトがありそうだ。こうした解析をしっかりやった上で、何が本質的な課題なのか(それは解決すべき問題なのか)を議論して、対策を考えるというのは必要だろう。
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