[東京 28日 ロイター] - 前場の東京株式市場で、日経平均は前営業日比89円88銭高の2万1272円46銭となり、続伸した。前日の米国株市場は休場だったが、欧州株が上昇したことが安心材料になり、自動車、ハイテク株などに買いが先行した。円相場の弱含みを背景に一時100円超高となったが、円安が一服すると上値が重くなった。海外勢の売り圧力が低下する中、材料のある個別銘柄が買われて相場を下支えした。

TOPIXは0.34%高で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は7860億円と低調だった。東証33業種では、精密機器、輸送用機器、電気機器が値上がり率上位に並んだ。半面、鉱業、石油・石炭、空運などが軟調だった。前日に自社株買いを発表した東京エレクトロン<8035.T>が上昇。欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)<FCHA.MI><FCAU.N>が27日明らかにした仏ルノー<RENA.PA>に対する対等合併提案が材料視され、日産自動車<7201.T>も買われた。

市場では「大所のリスクが6月の20カ国・地域(G20)首脳会議まで先送りされたことで株式市場は落ち着きをみせている。だが、買い向かうような環境でもない。公的年金などは新年度資金での買い余力を残しているが、日経平均2万1000円以下の押し目買いスタンスだろう」(ちばぎん証券顧問の安藤富士男氏)との声が出ていた。

東証1部の騰落数は、値上がりが952銘柄に対し、値下がりが1062銘柄、変わらずが122銘柄だった。