[マドリード 26日 ロイター] - スペインで26日実施された欧州連合(EU)欧州議会選では、与党・社会労働党が第1党となり、EUの主要ポストを狙う同党を勢いづかせる結果となった。同日投票の統一地方選では同党は全体の得票率で首位に立ったが、主要都市で敗れた。

欧州議会選で社会労働党は20議席を獲得。保守派の国民党(PP)が12議席、中道右派シウダダノスが7議席、極右ボックス(VOX)が3議席となった。

統一地方選では開票率99%時点で社会労働党の得票率が30%近くでトップ。国民党は22%強で2位につけた。

社会労働党は4月の総選挙で第1党となったが、過半数には届かなかったため、連立交渉が必要となっていた。同党を率いるサンチェス首相は欧州議会選と統一地方選で勝利することで交渉で有利な立場に立つことを狙っていた。

欧州議会選では国内の第1党になっただけではなく、議会の社会主義会派で最大勢力になるとみられる。

一方、統一地方選は全体の得票率では首位に立ったが、マドリードのような主要都市・地域の選挙は保守派や中道右派、極右が制する結果となり、政治の分断が鮮明となった。

このため、国政と地方政治の両方で政権樹立に向けた難しい交渉が待ち受けることになる。

サンチェス氏は記者会見で、今回の欧州議会選によって「社会労働党が圧倒的にスペイン政治の第1勢力であることが確認された」と強調した。

地方統一選については、シウダダノスと国民党に、ボックスではなく社会労働党との合意を目指すよう呼び掛けた。

政府筋が最近明らかにしたところによると、スペイン政府はEU外交安全保障上級代表と欧州委員会の副委員長の2つのポストに自国の候補を推す可能性が高い。

ある政府筋はロイターに「スペインは新たに欧州に占めることになった比重に基づきポスト獲得に力を尽くす」と述べた。