[パリ 26日 ロイター] - フランスでの欧州議会選が26日に実施され、ルペン党首率いる極右の国民連合(RN)が第1党となる見通しだ。ただ、マクロン大統領率いる共和国前進(REM)との差は僅差にとどまるもようだ。

エラブの世論調査によると、国民連合は23.6%の票を獲得し、共和国前進の22.4%を1%強上回る見通し。

国民連合のルペン氏やジョルダン・バルデラ候補は今回の選挙を過去2年のマクロン政権への信任投票と位置付け、選挙戦では有権者に大統領の経済改革や親欧州連合(EU)政策への反発を示すよう呼びかけた。

バルデラ氏は記者団に「仏国民はマクロン氏に非常に明確なメッセージを送り、謙虚さの教訓を教えた。国民が拒否したのはマクロン氏とその政策だ」と述べた。

今回の結果は、イタリアのサルビーニ副首相らとともに欧州で極右勢力を築くことを目指すルペン氏にとっては追い風となる。ただ、24.8%の票を獲得した前回の欧州議会選と比べると支持は後退した。

仏大統領府当局者は選挙結果について、「残念」な結果だが惨敗ではないとの見方を示した。別の当局者は、選挙結果を受けてマクロン大統領が改革路線を修正することはないと話した。

ただ一部のアナリストは、マクロン大統領による親ビジネスの経済政策に対する多くの有権者の懐疑的な見方を浮き彫りにする結果だと指摘した。

マクロン氏は欧州議会では親EUのリベラル派、欧州自由民主連盟(ALDE)と中道連合を形成することを目指す。同連盟は定数751議席のうち約100議席を獲得し第3会派となる見通しで、EU機関の人事などを巡り影響力を持つ可能性がある。