[東京 17日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べドル安/円高の109円後半。ドルは午前の取引で110.03円をつけたが、その後、上海総合株価指数が軟調に推移したことや午後に入り米国株先物も下落したことなどを受け、109円後半に反落した。背景には米中貿易摩擦の激化や長期化に対する根強い警戒感がある。

ドルは仲値にかけて、輸入企業のドル買い等に支援され一時110円台まで上昇。ただ110円台での滞空時間は数秒との指摘もあり「110円台をつけたことで達成感がでて反落に転じた。今後はしばらく110円台をみないかもしれない」(FX会社)との意見も出ていた。

午後に入ると、米国株先物の下落がドル/円の上値を抑えた。

市場関係者によれば株安の一因は、米国が関税引き上げで中国に脅しをかけている状況で、中国は米国との貿易協議を再開するつもりがないことを中国国営メディアが示唆したことだという。

ただ、対ユーロや英ポンドではドルが堅調に推移したため、東京市場でドル/円の下落は勢いづかなかった。

ユーロ/円は122円半ば。15日の122.08円(1月15日以来の安値)からは反発したが、イタリアの財政赤字問題やユーロ圏の景気減速を反映した弱さが続いている。

メイ英首相は、英国の欧州連合(EU)離脱交渉について次の局面を迎える前に退任すると表明した。

英ポンド/円<GBPJPY=>は足元140前半。

英ポンドは直近の高値146.50円(5月3日)をつけた後、一本調子で下げている。「この過程でメイ首相の辞任はほぼ織り込まれている」(アナリスト)、「メイ首相は既にレームダック化していた」(証券会社)などの声が聞かれた。

ただ、前英外相でメイ首相批判の急先鋒だったボリス・ジョンソン氏が保守党の党首選挙に出馬する可能性までは織り込んでいないとされ、英ポンドにはまだ下げ余地がありそうだ。

スポット人民元<CNY=CFXS>は一時1ドル=6.91元台に乗せ昨年12月以来の安値をつけた。目先の下値めどは7.0元。

ドル/円<JPY=>  ユーロ/ドル<EUR=>  ユーロ/円<EURJPY=>

午後3時現在 109.62/64 1.1170/74 122.48/52

午前9時現在 109.87/89 1.1171/75 122.75/79

NY午後5時 109.84/87 1.1172/76 122.73/77

(為替マーケットチーム)