[香港 16日 ロイター] - 国際金融協会(IIF)が15日公表したリポートによると、米中貿易摩擦の激化に伴い、ここ数週間に昨年10月以来の規模で新興国市場から資金が流出した。

トランプ米大統領は前週、中国が通商協議で合意済みの約束を破ったとして、2000億ドル相当の中国製品に対する関税を引き上げた。これを受けて中国も13日に報復関税を発表した。

IIFによると、中国株からは前週25億ドル、13日には15億ドルが流出した。

IIFのエコノミストは、台湾からの流出額は15日に4億ドルとなり、韓国やインド、インドネシアなど他のアジア新興国も「中国と同様の傾向を示し、米中貿易摩擦の高まりによる新興国市場全体へのリスクを浮き彫りにしている」と指摘した。

一方、新興国債券への資金流入は安定を維持し、タイは今週、1日の流入額として約3カ月ぶりの高水準となる2億4000万ドル超を記録した。

IIFによると、新興国市場からの最近の資金流出額は総額およそ10億ドルで、昨年10月(11億ドル)以来の高水準となった。