[ロンドン 14日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)によると、2018年の世界のエネルギー投資は約1兆8500億ドルで、前年からほぼ横ばいだった。それまでの3年間は減少していた。エネルギー効率化や再生エネルギーのための投資が低迷するなか、石油、ガス、石炭部門への投資が増加した。

IEAの2019年世界エネルギー投資見通しに報告書によると、2018年の石油・ガス上流部門への投資は4%近く増加し、4770億ドルだった。原油価格の上昇やシェールガス事業へのシフトなどが背景。

2019年の石油・ガス部門への投資は5050億ドルになると予想している。

石炭部門への投資は2%増の800億ドルだった。2012年以降初めて増加したが、新たな鉱山開発向け投資ではなく、生産水準維持のための投資が主だった。

電力部門への投資は1%減少し、約7750億ドルだった。マイナスとなったものの、電力需要の伸びを背景に引き続き最大規模の投資を引き付けた。

エネルギー効率化に向けた投資は横ばい。再生エネルギー投資は1%減少し、約3000億ドル。一部の技術コストが低下したことなどが背景。

IEAは、温暖化対策に必要な低炭素エネルギー部門に資金が大きく振り分けられている兆しはほとんどみられないと指摘した。

ファティ・ビロル事務局長は、市場や政策、技術の変化に伴い、エネルギー投資の先行きはこれまでにないほど不透明になっていると説明した。

低炭素エネルギー部門への投資は約6200億ドルでほぼ横ばい。2016年に3%増加して以降、伸び悩んでいる。

低炭素エネルギーがエネルギー投資全体に占める割合は、2030年までに65%に達する必要があるが、約35%にとどまった。