[ワシントン 1日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は4月30─5月1日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を2.25─2.50%に据え置くことを決定した。

労働市場や経済活動は引き続き堅調で、インフレはいずれ上向く公算が大きいとの認識を示し、当面は金融政策を維持する方針を明示した。

パウエルFRB議長は記者会見で「現時点の政策スタンスは適切で、いずれの方向にも動かす強い根拠は確認していない」と語った。その上で「年内は良好な軌道に乗っている」との認識を示した

今回の決定は全会一致。FRBはまた、銀行の超過準備に対する付利金利(IOER)を2.4%から2.35%に引き下げた。

FOMC声明は、ここ数週間の状況について「労働市場は引き続き力強く推移し、経済活動は堅調なペースで拡大している」とし、経済成長の継続、堅調な雇用市場、インフレがいずれ上向くというのが「最も起こり得る結果」との見解を示した。

FOMC声明や、利下げを検討する強い根拠は見当たらないとするパウエル議長の姿勢を受け、米金融市場では株価が下落し、国債利回りが上昇した。

金利先物市場でも、FRBの次の措置が利下げになるとの見方が後退した。コーナーストーン・マクロのアナリストはこれについて、パウエル議長による「現状維持」のメッセージの狙い通りだとの見方を示し、「きょうのFOMCでは今後の政策変更のシグナルと捉えるべきものは何もなかった」と指摘した。

FOMC声明では、引き続き低水準なインフレへの懸念もにじませ、もはやエネルギー価格下落のみを要因と判断することはできず、最近のインフレ鈍化が予想以上に長引く可能性があるとの認識を示した。

パウエル議長は「インフレが根強く目標を下回って推移するようであれば、懸念材料となり、政策決定で考慮していく」と語った。ただ、現在の低インフレを踏まえ、FRBが将来の利上げに「忍耐強く」対応していくことが正当化されるとの考えを強調した。

同時に、振れの激しい食品・エネルギーを除くコアインフレの鈍化は一時的要因による公算が大きく、2%に向かって再び上昇すると予想。さらに、今後入手される経済指標の内容次第で、金利はいずれの方向にも動くとの考えをあらためて示した。

パフォーマンス・トラスト・キャピタル・パートナーズのトレーディングディレクター、ブライアン・バトル氏は、「パウエル議長は利下げが既定路線ではなく、利上げの可能性もあると論じた」と述べた。

トランプ大統領は前日、FRBは景気支援に向けて、利下げを実施し、量的緩和を再開すべきとの考えを示した。

*内容を追加しました。