[24日 ロイター] - 米通信大手AT&T<T.N>が発表した第1・四半期決算は、売上高が市場予想を下回った。顧客獲得のために値下げしたワイヤレス部門やワーナーメディア部門の売上高が予想を下回った。

有料ケーブルテレビ局HBOなどを含むワーナーメディア部門の第1・四半期の売上高は83億8000万ドルで、リフィニティブのアナリスト予想の84億5000万ドルを下回った。

同社の携帯電話契約者数は米国市場での値下げが奏功し、差し引き8万人増加。アナリスト予想は4万4000人減だった。

ただ、ワイヤレス部門を含むモビリティ事業の第1・四半期の売上高は175億7000万ドルで、予想の176億5000万ドルを下回った。

第1・四半期の解約率は前年同期の0.84%から0.93%に上昇した。

衛星放送「ディレクTV」を含むエンターテインメント事業の売上高は約1%減の113億3000万ドル。有料テレビ契約者数は差し引き54万4000人減。ファクトセットのアナリスト予想38万5000人を上回る減少となった。

有料テレビサービス提供業者は、ネットフリックス<NFLX.O>などストリーミングサービスの台頭で顧客維持に苦しんでいる。AT&Tも独自の動画サービスを展開しているが、そちらも客離れが見られる。

同社帰属の純利益は前年同期の46億6000万ドル(1株当たり0.75ドル)から41億ドル(同0.56ドル)に減少した。

特別項目を除く1株利益は0.86ドルと予想並みだった。

総売上高は約18%増の448億3000万ドルとなったが、予想の451億1000万ドルには届かなかった。

午後の取引で株価は下げ幅を広げ、4.5%を超える下落。

ニュー・ストリート・リサーチのアナリスト、ジョナサン・チャップリン氏は顧客リポートで、AT&Tの資産群には引き続き課題があるとし、企業向けワイヤレス部門は売上高と利益ともに減少していると指摘した。

*内容を追加しました。