【ガイア】伊藤忠、産休・育休経た30代女性に「同期の中で遅れている」と異動提案 ネットで「時代錯誤」という声相次ぐ
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事実と反応をまとめつつ、過渡期の混乱が分かる良い事例。いくつかの要素がごっちゃまぜで論じられています。
1つ目は、産休育休というブランクに対するpunishmentが重すぎるのではないか、という話。外資系を見ると、複数出産して上級管理職の女性は珍しくありません。日本企業は、まだまだ、産休育休「くらいで」昇進が遅れること自体、遅れているという指摘は事実。
2つ目は、育休の長さ。諸研究が明らかにしているのは、育休が長いとキャリアにマイナスという事実です。米アジアで勤務経験のある友人は、同僚(アジア人)から「1年の育休はtoo long」と言われたそうです。競争は厳しい。この点、詳しくは立命館大教授の筒井淳也さんが書いた「仕事と家族」(中公新書)をご参照。
3つ目は、家庭内の男女不平等です。事例の女性は会社の先輩と結婚しているので、収入が多い方が育休を取ったのかもしれません。ただ、ふたりともキャリアを継続と考えるのであれば、半々といかないまでも、夫も育休を取る、という選択肢もありました。三菱東京UFJ銀行の男性育休義務化は、こういう問題を避けるための解決策として期待できるでしょう。もう15年前の話だけど、自分が出産し、育休から復職したとき、人事考課が5段階評価のDになっていて、若干驚いて調べると、「育休明けの社員は直近半年の勤務実態がないため、評価を自動的に落とす」と社内規定にありました。
勤務実態がないため現状維持じゃなくて、落とすと。たまたま当時の人事部長と親しかったので直接話をしに行ったら、「え?そんな規定あるの?」とあっちもびっくり。
そもそも女性が少なく、さらに出産する人が少なく、そして私のように産後に人事評価を確認する人がろくにいなかったためか、かなり昔に決まった規定(それも問題だけど)が、10年以上運用されていたのでした。
今の時代だったら、この規定が明らかになった時点でニュースというか、採用で応募者いなくなるよね…。
私が文句言って、制度は撤廃されたものの、自分には適用されているし、その考課が後々退職金に響いてくるので、あほらしくなって、今後この会社で働き続けるか考える大きなきっかけになりましたとさ。「遅れている」が会社での経験という文脈ならそうかもしれないし、人生経験という文脈であればそうでないかもしれない。会社から見た時にブランクであることは事実なのでしょうし、その上でどう選択するかだと思います。
異動提案自体は選択肢を挙げているだけ(強制でなければ)なので、別に悪いことではないと思っています。誤解を恐れずに言えば、もしそういうのであれば、管理部門を下に見ていることの裏返しですよね。また、会社での出世や昇進が礼賛される雰囲気も、若干偏った価値観を感じてしまいます。一般論として。
996でバリバリ働くのも価値観、非マネジメント志向で常に現場にいることも価値観、家族の時間を重視してゆるくお金を稼ぐのも価値観ではないでしょうか。一般論として。