【独自ルポ】平成30年間で最も「衝撃的」だった3つの倒産現場
NewsPicks編集部
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帝国データバンク情報部の生き字引、大ベテランの阿部記者ならではの「読ませる記事」です!本文の中で阿部記者が指摘する「社長の本性は会社の経営が限界に達したときにはっきりと見えてくる」は、まさにその通り。ひとつの企業を定点観測していると、そうしたわずかな対応の変化から、破綻の予兆が見えてくるものです。
ちなみに自分にとっての「衝撃的な」倒産現場は、新米時代に先輩記者と同行取材した案件です。代表自宅兼事務所を訪れ、チャイムを鳴らそうとした瞬間、家族4人がいきなり出てきました。その中の父親と見られる方に「代表はいらっしゃいますか?」と尋ねると、「話すことは何もない」とだけ言うと、子どもを急いでトラックに乗せ、そのまま走り去ってしまいました。たくさんの荷物を積んでいたトラックを見て、「夜逃げだな」と先輩はぽつりと一言。無邪気に笑うあのときの子どもたちの後ろ姿と、両親の強張った表情がいまでも強く記憶に残っています。大学のとき家業の倒産と実家の競売を経験し、今はファンドマネージャーをしています。
法律の知識を身につけること、破産管財人以外にもう1人弁護士を雇うこと、誠実に裁判所の手続きに対応することをきちんとしていれば、意外と何とかなります。
それでも家族が受けるダメージは並大抵ではありません。
柔道のように、投げられてもきちんと受身を取ることがポイントです。
知識も準備もアドバイザーも無い「夜逃げ」だと文字通り悲惨な結果になります。
金融機関、コンサル、ファンドには実体験としての倒産経験者は少ないので、割と正直に自分の経験は共有しています。