[ソウル 22日 ロイター] - 北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は、金正恩・朝鮮労働党委員長がロシアを訪問しプーチン大統領と会談すると報じた。

2月にベトナムで行われた2回目の米朝首脳会談が物別れに終わり、北朝鮮が求めていた制裁緩和に向けた米政府との協議が停滞していることから、金委員長はロシアを訪問することで、外国からの経済開発計画への支援拡大に取り組んでいるとみられる。

KCNAは金委員長のロシア訪問(訂正)は「近く」実現すると報道。ただ具体的な日程や、会談が行われる場所については言及しなかった。

ロシア紙コメルサントは23日、ウラジオストクへの訪問が4月25日に予定されていると報道。訪問の準備作業を進めている関係者に近い筋の話として伝えた。

ロシアのペスコフ大統領報道官は、プーチン大統領と金委員長が4月末までに会談すると発表している。[nL3N2203K9]

聯合ニュースによると、金委員長の側近であるキム・チャンソン氏の姿が21日にロシアのウラジオストクで確認され、ロ朝首脳会談が同市で24─25日頃に行われるとの臆測が広がった。

北朝鮮の動きを追う団体、NKニュースは22日、ウラジオストクの極東連邦大学で準備が行われている写真をウェブサイトに掲載。北朝鮮とロシアの国旗が設置され、首脳会談の一部が開催される可能性が高いとみられている。

韓国外務省は、首脳会談ではロシアと北朝鮮の関係、非核化、地域的な協力などが取り上げられるとの見方を示した。

同省の報道官は「ロシアは、朝鮮半島の完全な非核化達成や恒久的平和の合意といった点でわれわれと見解を共有する」とし「首脳会談が進展に寄与する機会となることを希望する」と述べた。

極東連邦大学のArtyom Lukin教授は、ベトナムでの米朝首脳会談が外交的に失敗した後、金委員長は世界の指導者が引き続き自身との会談を望み、また自身にはより多くの選択肢があるということを示したいと考えているようだ、と述べた。

同教授は「金委員長は米国、中国、韓国に過度に依存しているとみられたくない」と指摘。「ロシアにとっては、ロ朝首脳会談は朝鮮半島情勢でロシアが主要な役割を担っているということを再確認することになる。この会談はロシアの国際的名声にとって重要だ」との見方を示した。

*本文第3段落の「訪朝」を「ロシア訪問」に訂正し、内容を追加しました。