[ブリュッセル 20日 ロイター] - 欧州連合(EU)のユンケル欧州委員長は20日、ドイツ紙とのインタビューで、英国が合意を伴わずにEUを離脱する可能性について懸念が依然あると指摘し、英国に前週決まった6カ月間の離脱再延長を有効活用して離脱案をまとめるよう呼び掛けた。

EU首脳会議は11日、ブレグジット(英のEU離脱)期限を10月31日に再延長することで合意した。

ユンケル委員長は独紙フンケ・メディアグループに対し「ブレグジットがどのように終結するのかは誰も分からない。非常に大きな不透明感が生じている。離脱協定の取り決めがないまま強硬なブレグジットになるとの懸念もまだある」と述べた。

その上で、10月31日までの再延長について「英国がこれを有効に活用し、再び無駄にしないことを願う」と強調した。

英議会はこれまで3回、メイ首相がEUと合意した離脱協定案を否決している。

米国との通商協議について、ユンケル氏は、今後「活発な議論」が予想されると語った。同氏は6月に大阪で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議でトランプ米大統領と会談する予定。

EU域内の経済については、ドイツなどの諸国が成長押し上げに向けた支出を増やすべきだと主張。

来月の欧州議会選に関しては、「不正操作の試みがあるとみている。EU域外だけでなく、複数の方面からあるだろう。EU域内の諸国も偽ニュースで有権者を特定の方向に誘導することを狙っている」とし、欧州委員会はこの問題に対処する用意があると語った。