[ワシントン 19日 ロイター] - 米商務省が発表した3月の住宅着工件数(季節調整済み)は年率換算で前月比0.3%減の113万9000戸と、2017年5月以来の低水準となった。一戸建ての建設が引き続き低調で、住宅ローン金利の低下にもかかわらず、国内住宅市場が依然低迷していることが示された。

着工件数の減少は2カ月連続。2月は116万2000戸から114万2000戸に下方修正された。

過去1カ月中西部で発生した大規模洪水が住宅建設に影響した可能性がある。中西部の着工件数は17.6%減少し、2015年初めの水準に落ち込んだ。北東部と南部も減少。一方、西部は大幅に増加した。

ロイターがまとめた3月の住宅着工件数のエコノミスト予想は、123万戸だった。

住宅着工の許可件数は1.7%減の126万9000戸で、5カ月ぶり低水準だった。許可件数の減少は3カ月連続。

住宅建設の長引く低迷は、土地と労働力の不足、建設資材の高騰が要因となっている可能性が高い。

一方、住宅市場のファンダメンタルズは改善している。連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)によると、30年住宅ローンの固定金利は11月のピーク水準(約4.94%)から4.12%に低下している。賃金の伸びも拡大している。

不動産データベースを扱うZillowのアナリスト、マシュー・スピークマン氏は、3月の住宅着工の数字は、経済状況の改善の恩恵がまだ建設業者に行き届いていないことを示していると説明した。

3月の着工件数の内訳は、市場で最も大きなシェアを占める一戸建て住宅が前月比0.4%減の78万5000戸で、2016年9月以来の低水準だった。

許可件数は前月比1.1%減の80万8000戸で、2017年8月以来の低水準となり、4カ月連続のマイナスを記録した。

変動が激しい集合住宅の着工件数はほぼ横ばい。許可件数は2.7%減だった。