[18日 ロイター] - <為替> ドルが対ユーロで1週間強ぶりの高値水準を付けた。米指標が好調だった一方、欧州の製造業指標は弱かった。

米商務省が発表した3月の小売売上高は前月比1.6%増と、2017年9月以来1年半ぶりの大幅な伸びとなった。自動車やその他幅広い項目のモノの販売が好調だった。経済が年初めに弱含んだ後、第1・四半期の終わりに加速した兆しを示した。[nL3N2203U9]

また、米労働省が公表した13日終了週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比5000件減の19万2000件と、1969年9月以来49年半ぶりの低水準となった。経済が底堅さを保っていることが示された。[nL3N2203FS]

一方、IHSマークイットが発表した4月のユーロ圏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が50の水準を下回った。ドイツやフランスの製造業PMIもさえなかった。[nL3N2202MA][nL3N2202EU][nL3N22024Q]

ウエストパック・バンキングの為替戦略責任者は「数時間のうちに、成長動向が米ドルの追い風になっているとかなり決定的、時宜にかなう形で再確認できた」と話す。

投資家は世界成長安定化の兆しに目を凝らす。アクティブ・トレーズのシニアアナリストは「投資家は世界、ユーロ圏経済の健全性を懸念しており、ユーロの行方もそれとかなり関連付けられている」と指摘した。

<債券> 米債利回りが低下。世界的に製造業の弱さが示され、景気減速懸念が強まった。米金融市場の3連休を控え、午後の商いは限定的だった。

米商務省が18日発表した3月の小売売上高は前月比1.6%増と、2017年9月以来1年半ぶりの大幅な伸びとなったが、ドイツやフランスの製造業購買担当者景気指数(PMI)の低迷が響いた。[nL3N2203U9][nL3N22024Q][nL3N2202EU]

DAダビッドソンの債券トレーディング担当バイスプレジデント、メアリー・アン・ハーリー氏は、欧州での問題が米政策金利の据え置きにつながる可能性があると述べた。

日本の製造業PMI速報値も3カ月連続で50を下回った。[nL3N21Z06Y]

午後の取引で、米10年債利回り<US10YT=RR>は前日の2.592%から2.563%に低下。米30年債利回り<US30YT=RR>も2.961%と前日の2.992%から低下した。

米2年債利回りは前日の2.402%から2.384%に低下した。

<株式> 主要3株価指数が小幅高で終了。米経済指標のほか、企業決算が堅調だったことが追い風。週間ではS&P500が4週ぶりに下落した一方、ダウとナスダックは上昇した。S&Pは過去5営業日で最高値から1%未満の高値圏で推移している。

19日は聖金曜日(グッドフライデー)の祝日で休場。

資産管理会社キーター・グループのマネジング・パートナー、マシュー・キーター氏は「ここ数週間、市場は停滞気味だった」と指摘。「2019年のリターンのほとんどが先取りされたとの懸念がある」と述べた。

好調な四半期決算や、中国商務省の高峰報道官がこの日、米中通商交渉の合意文書に関する協議で新たな進展はあったと明らかにしたことも支援材料に。[nL3N220273]

米複合企業ハネウェル・インターナショナル<HON.N>は3.8%高。同社が発表した第1・四半期決算は、航空旅客需要の高まりで航空機部品などの需要が押し上げられ、利益が予想を上回った。[nL3N2203O2]

米損害保険大手トラベラーズ<TRV.N>は2.3%高。災害による損失が減少したことで、利益が予想を上回った。

米鉄道輸送最大手ユニオン・パシフィック<UNP.N>は4.4%高。悪天候や中西部での洪水の影響が鉄道部門の値上げで相殺され、利益が予想を上回った。

一方、米石油サービス大手シュルンベルジュ<SLB.N>は3.9%安。第1・四半期決算が20%減益となった。[nL3N2203TT]

米クレジットカード大手アメリカン・エキスプレス(アメックス)<AXP.N>は第1・四半期の収入がアナリスト予想を下回ったが、株価は1.7%高で引けた。[nL3N220418]

ニューヨーク証券取引所に上場した画像共有サイトの米ピンタレスト<PINS.N>は公開価格比28.4%高。[nL3N220414] 一方、リフト<LYFT.O>は1.9%安だった。

<金先物> ユーロ圏のさえない経済指標を受けて一時買われたものの、ドル高に伴う割高感に押され、ほぼ横ばいとなった。6月物の清算値は前日比0.80ドル(0.06%)安の1オンス=1276.00ドル。

4月のユーロ圏総合PMIは前月から低下し、3カ月ぶりの低水準となった。これを受けて欧州経済の先行き懸念が再燃、安全資産とされる金は未明から買いが優勢となり、一時プラス圏に浮上した。ただ、外国為替市場では低調なユーロ圏経済指標と堅調な米経済指標を背景にドル高・ユーロ安が進行。ドル建てで取引される金に割高感が生じたため、相場には下押し圧力がかかった。

<米原油先物> 狭いレンジでもみ合った後、小反発。米国産標準油種WTIの中心限月5月物の清算値は、前日比0.24ドル(0.38%)高の1バレル=64.00ドル。6月物は0.20ドル高の64.07ドルだった。

米エネルギー情報局(EIA)が前日発表した週報で、米原油在庫が市場の積み増し予想に反して4週ぶりに取り崩しとなったことなどを手掛かりに買い支えが入り、相場は朝方に一時64.16ドルまで上昇した。

ただその後は、外国為替市場でドル高・ユーロ安が加速する中、ドル建てで取引される商品に割高感が生じ、相場はマイナス圏に転落。リビアの内戦危機や、米政府による制裁対象のベネズエラとイランの原油供給が細る中、石油輸出国機構(OPEC)が現行の協調減産措置を6月末で打ち切るのではないかとの思惑も上値を抑えた。

共同石油統計イニシアチブ(JODI)はこの日、2月のサウジアラビアの原油輸出量が日量697万7000バレルと、前月の725万4000万バレルから減少したと報告。また、18日までの1週間の米国内石油掘削リグ稼働数が前週比で8基減少したとするベーカー・ヒューズの統計も相場を支援し、あと小幅プラス圏に切り返した。

翌19日の取引は、グッドフライデーのため休場となる。

ドル/円 NY終値 111.96/111.99 <JPY21H=>

始値 111.92 <JPY=>

高値 112.02

安値 111.86

ユーロ/ドル NY終値 1.1229/1.1233 <EUR21H=>

始値 1.1253 <EUR=>

高値 1.1259

安値 1.1227

米東部時間

30年債(指標銘柄) 14時05分 100*26.00 2.9587% <US30YT=RR>

前営業日終値 100*05.00 2.9920%

10年債(指標銘柄) 14時05分 100*18.00 2.5596% <US10YT=RR>

前営業日終値 100*09.00 2.5920%

5年債(指標銘柄) 14時05分 98*27.75 2.3692% <US5YT=RR>

前営業日終値 98*23.00 2.4010%

2年債(指標銘柄) 14時05分 99*24.13 2.3802% <US2YT=RR>

前営業日終値 99*22.75 2.4020%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 26559.54 +110.00 +0.42 <.DJI>

前営業日終値 26449.54

ナスダック総合 7998.06 +1.98 +0.02 <.IXIC>

前営業日終値 7996.08

S&P総合500種 2905.03 +4.58 +0.16 <.SPX>

前営業日終値 2900.45

COMEX金 6月限 1276.0 ‐0.8 <GCv1><0#GC:>

前営業日終値 1276.8

COMEX銀 5月限 1495.5 +1.6 <SIv1><0#SI:>

前営業日終値 1493.9

北海ブレント 6月限 71.97 +0.35 <LCOc1><0#LCO:>

前営業日終値 71.62

米WTI先物 5月限 64.00 +0.24 <CLc1><0#CL:>

前営業日終値 63.76

CRB商品指数 187.1304 +0.5293 <.TRCCRB>

前営業日終値 186.6011

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