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【新】freee、Sansan、ビザスクを“超青田買い”した男の正体
2019/4/19
2017年10月、東京・人形町の小さなオフィス。産声を上げたばかりのスタートアップ「atama plus(アタマプラス)」代表の稲田大輔は、とある人物と対峙していた。
本多央輔。日米中に拠点を置くベンチャーキャピタル(VC)、DCMベンチャーズの日本代表だ。
どこで僕らの存在を知ったのか──。
知人の紹介を通じ、突如コンタクトを取ってきた本多はその後、最初のミーティングからわずか2週間後には5億円の出資を決めた。売り上げはほぼゼロ、社員9人の会社に、約30億円の企業価値を付けたというのである。
「まさに、嵐のような出来事でしたね」
と、稲田は当時を振り返る。
ベンチャー投資の“トレンド”には目もくれず、創業間もない起業家の前に突然現れ、ビジョンを問いただす。
そして、本多の眼にかなったスタートアップは、メガベンチャーへの道を歩み始める。
freee、Sansan、FOLIO、ビザスク。
彼のポートフォリオには、今をときめく旬のベンチャーの名が連なる。そのほとんどは、社員数ひと桁、売り上げもまだ立っていないような時期に、彼に「発掘」されている。
起業家たちが尊敬の眼差しを送る、草創期に“超”青田買いをして成功し続ける本多央輔とは何者なのか。
NewsPicks編集部は、めったにメディアの前に姿を見せない本多のインタビューに成功。そのアタマの中を、全3回にわたって解き明かしていく。
第1回目は、有力スタートアップをどう見つけ、投資を決めるのか。本多に「化ける企業」の選び方を聞く。
本多央輔(ほんだ・おうすけ)DCMベンチャーズ ゼネラル・パートナー
幼少期を東京、テキサス、カリフォルニアで過ごす。三菱商事で自動車部門の海外営業や機械部門の新規事業開発などを担当。その後グロービス・キャピタル・パートナーズを経て2007年DCMに入社。柔道や極真空手の稽古を楽しみ、両競技の黒帯を保持。
幼少期を東京、テキサス、カリフォルニアで過ごす。三菱商事で自動車部門の海外営業や機械部門の新規事業開発などを担当。その後グロービス・キャピタル・パートナーズを経て2007年DCMに入社。柔道や極真空手の稽古を楽しみ、両競技の黒帯を保持。
VCは、F1の「ピットクルー」だ
本多 よく、ベンチャー界の「隠れキャラ」なんて言われます(笑)。あまり表に出たくないんです。
じゃあなぜ今回インタビューを受けたのかというと、起業家にとって良いことかな、とも思ったから。
僕はスタートアップとVCは、F1におけるレーサーとピットクルーの関係だと思っています。よく「VCは起業家の伴走者」とか「助手席に座っています」と言う人がいますが、僕には全く、その認識はありません。
助手席に乗るくらいなら、僕がレーサーでありたいくらいです。
しかしF1でいえば、ピットにいるからこそ見える、「レースの景色」がある。
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