[東京 12日 ロイター] - スズキ<7269.T>は12日、2019年3月期に約800億円の特別損失を計上すると発表した。新車出荷前に行う完成検査の不正により、1回目の車検を受けていない車両200万台を近くリコール(回収・無償修理)するため。不正の再発防止に向けた設備更新などのために今後5年間で1700億円規模の投資を実施することも明らかにした。

同社は同日、国土交通省に測定データの書き換えなど一連の不正に関する調査報告書を提出した。昨年起きた完成検査の不適切な事例について詳細な原因分析を進めてきた。報告書によると、検査員の人員不足、検査工程の時間不足、教育体制の機能不全などが原因に挙がっているほか、工場のレイアウトや検査設備の老朽化などにも問題があったしている。

再発防止策としてはまず、経営陣による品質保証へのコミットメントを強化する。社長を再発防止策の総責任者とし、防止策の実行責任者を新たに設置する「検査本部」の本部長とし、役員が担う。また、今後2年間で約200人の完成検査資格者(3月末時点で223人)を育成する。