バンク血液でiPS作製、東北大 病気の研究に利用へ
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東北メディカルメガバンクの血液細胞でiPS細胞を作製するのに成功したのはいいことで今後約15万人の試料を利用するとのことですが、iPS細胞作製にどのような同意内容を取得しているのかは気になるところです。
公式プレスリリースへのコメントを再掲させて頂きます。
東北メディカル・メガバンク(ToMMo: Tohoku Medical Megabank organization)と iPS細胞研究所の共同研究の成果が発表されました。
2016年2月から進められていたプロジェクトで、今回無事に ToMMo に保管されている血液細胞(単核球)から、きちんとしたiPS細胞を作製することに成功しています。
約15万人のDNAアレイ解析(遺伝子部分だけ読んだデータ)と、そのうち約5000人分は全ゲノム解析を終わらせたコホート(同じ条件下にある特定の集団)サンプルを現在までに保持するバンクです。そこから6人分を選んで無事全てからiPS細胞を樹立できた報告です。
ToMMoバンクにある遺伝子データのわかっているサンプルから、自分の注目する遺伝子多型や、非遺伝子領域を含むホールゲノム情報をもとに iPS細胞を作製し、病気のモデルの研究や創薬に役立てることができる可能性を示せました。バンクに保存されている血液細胞は保存条件が同じためです。
これらのリソースにより、個人の持つ遺伝子の多様性や、や傀儡の効果や、副作用、疾患リスクとの関係性の解明に繋がります。
ToMMoのメガバンクはその貴重なリソースから、もちろんiPS細胞研究所だけではなく、多くの研究に利用されています。
NPではほとんど話題になっていませんでしたが、今年の2月には、「日本人基準ゲノム配列」の初版JG1が公開されました。我々にとって大変ありがたいものです。
(現在一般的に用いられているヨーロッパ系・アフリカ系の集団を祖先に持つゲノムをもとに作成されたものではなく、日本人3人からつくったゲノム配列で、日本人のゲノム解析が精密、正確に行えるようになったのです。)
https://www.megabank.tohoku.ac.jp/news/32217
15万人をコホートとして扱い、きれいなデータとしてこの規模で利用できるようにすることはなかかな実現しませんから、我々にとってこれからも貴重なリソースになるのは間違いありません。
倫理や、同意関係、データセキュリティ等には引き続き細心の注意を払いながら進めていって頂ければと思います。
https://www.megabank.tohoku.ac.jp/kentou