(ブルームバーグ): ソフトバンクグループが2017年終盤に米ウーバー・テクノロジーズに求めた取締役会の2議席確保が現在も実現していない。ウーバーの株式90億ドル(約1兆円)相当の購入を取り決めた際に持ちかけた要求だが、海外からの米国投資は厳重な監視の対象とされるようになっており、この2議席は空席のまま今後も埋まらない可能性が十分ある。

ウーバー上場後、ソフトバンクは議席を獲得する権利を失うだろうと、事情に詳しい複数の関係者が述べた。上場の時点でウーバーの内規が変わり、ソフトバンクと取りまとめたような従来の契約は無効となる。

ソフトバンクの議席獲得が遅れているのは、米企業と外国人投資家の取引を審査する当局者の認可を同社がまだ確保していないことが理由だ。関係者の1人によれば、ウーバーへの大規模出資は完了し、送金は1年以上も前に済んでいるものの、ソフトバンクは同出資を巡る自社の会計や投資家の承認をまとめることに昨年の大半を費やした。

同関係者によると、ソフトバンクはウーバー取締役会の議席取得に向けた米審査プロセスに昨年末まで取りかかれなかった上、対米外国投資委員会(CFIUS)にまだ正式に届け出ていない。

原題:Two Uber Board Seats Imperiled by U.S. National Security Review(抜粋)

--取材協力:David McLaughlin、Selina Wang、Ed Ludlow.

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