[ワシントン 2日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は2日、世界成長見通しは「不安定」で、貿易や英国の欧州連合(EU)離脱、金融市場ショックの影響を受けやすいとの認識を示した。

IMFは1月、今年と来年の世界成長率が3.5%付近になると見通しを示したが、ラガルド氏は講演予定原稿で「それ以降一段と勢いが失われた。来週公表の最新見通しで確認できるだろう」と述べた。

ラガルド氏は短期的に景気後退を予想していないとしたほか、米連邦準備理事会(FRB)が「一段と忍耐強いペースで」金融政策の正常化を進めることで、今年下期から来年にかけ成長の追い風になると見通した。

米中貿易戦争の影響分析も修正したとし、仮に両国間の全取引が25%の関税対象となれば、米成長率が最大で0.6%、中国の成長率も最大1.5%下がると予想した。

ラガルド氏は「貿易戦争に勝者はいない」とし、「このため貿易障壁の縮小や世界貿易システムの近代化へ共に取り組む必要がある」と訴えた。