[サンフランシスコ 26日 ロイター] - 米サンフランシスコ地区連銀のデーリー総裁は26日、経済指標で米経済に利上げが必要なのか、利下げが必要なのかが明確に示されるまで金融政策の調整は待つとする連邦準備理事会(FRB)の現在の政策スタンスを支持すると述べた。

同総裁はサンフランシスコのコモンウエルスクラブで行った講演後に記者団に対し「現在は忍耐強くあろうとしている」とし、「どちらの方向に進むべきか、指標で明らかになるまで忍耐強くあろうと考えている」と述べた。

同総裁はこの日、インフレ率がFRBの目標を長らく下回っていることで、FRBに対する信認が揺らぐ恐れがあるとの見解を表明。

ただその後、記者団に対し、自身の予想より時間がかかってはいるがインフレ率は最終的には上向くとの見方を表明。「雇用者は賃金を緩やかに引き上げている。通常より時間がかかっているだけだ」とし、「循環的な物価上昇は顕著に見られておらず、こうしたことが忍耐強くある戦略につながっている」と述べた。

トランプ米大統領がFRBを批判した後に利上げを休止したことから、大統領の圧力により押し込められたことになるか、との質問には「それはない」と否定。FRBの決定は、大統領のツイッター投稿への対応とみえるかもしれないが、決定はデータに基づいていると強調した。

米経済が潜在成長率を上回るペースで拡大していたことからFRBが12月に利上げに踏み切ったことは支持するが、金利は現在、経済成長を底上げすることも阻害することもない「中立的な」水準だと指摘。こうした状況を踏まえると、金融政策で忍耐強くなり、経済指標を見極めることが必要だと説明した。

*内容を追加します。