[25日 ロイター] - <為替> ユーロが上昇。IFO経済研究所が発表した3月のドイツ業況指数が市場予想を上回り、景気後退(リセッション)懸念が後退した。また、安全資産と見なされる円は6週間ぶり高値から下落した。
独業況指数を受け、ドイツ10年債<DE10YT=RR>利回りは一時プラス圏に浮上し、欧州株を下支えた。またユーロ<EUR=EBS>も対ドルで0.2%上昇し、日中高値の1.13315ドルを付けた。
ユーロは対円で序盤に123.875円を付けたが、その後0.46%高の124.81円まで上昇した。
ユーロや新興国通貨の緩やかな反発が持続するかは不透明。アナリストによると、トレーダーの間では、この日も2営業日連続で米国の長短金利が逆転していることへの懸念が続いている。
コメルツ銀行のアナリスト、ウルリッヒ・ロイヒトマン氏は「安全資産への逃避が終わったとは言えない。全体的なリスクオフ心理は(22日と)同じほどではないが、しばらく優勢だろう」と指摘。ただ、ユーロ圏や米国が短期的に景気後退に陥る可能性は低いとの考えも示した。
<債券> 指標10年債利回りが低下し2017年12月以来の低水準を付けたほか、3カ月物財務省短期証券(Tビル)と10年債利回りの逆転差が拡大した。
BMOキャピタルマーケッツ(ニューヨーク)の米金利戦略部長、イアン・リンゲン氏は「相場は前週の流れを引き継いでいる」とした上で「リスク資産の動きを見ると債券相場は上がり過ぎ」との見方を示した。
3カ月物Tビルと10年債の利回り差<US3MT=RR> <US10YT=RR>は約5ベーシスポイント(bp)。同利回りの逆転は向こう1―2年の景気後退(リセッション)を示すといわれる。
ジェフリーズ(ニューヨーク)の金融市場エコノミスト、トム・サイモンズ氏は「連邦準備理事会(FRB)が長期債を大量に保有し、その影響力を保持する中、投資家はイールドカーブの相互の関係を見極めようとしている。世界的に金融緩和が根強いことも重要だ」と述べた。
<株式> 世界経済の減速に対する懸念が重しとなり、不安定な取引の中でおおむね下落して終了した。動画ストリーミングサービスへの参入などを発表したアップル<AAPL.O>が売られたことも相場の押し下げ要因となった。
米国債市場の動向が注視される中、主要株価指数は終日、プラス圏とマイナス圏を行き来する展開となった。
S&P金融指数<.SPSY>は0.4%安で5営業日続落となった。
ノース・スター・インベストメント・マネジメントの最高投資責任者、エリック・カビー氏は「市場が4%の10年債利回りやインフレについて懸念する状況から、リセッション(景気後退)や金利低下を懸念する状況に変わり、地合いに影響している」と話した。
ダウ工業株30種はボーイング<BA.N>の2.3%上昇などが寄与して小高く引けた。同社は737MAXのソフトウエアと訓練プログラムの更新について今週、パイロットや規制当局者に説明を行うと発表した。
アップルは1.2%下落し、主要株価指数の重しとなった。
<金先物> 世界的な景気減速懸念がくすぶる中、安全資産としての金買いが根強く、3営業日続伸した。
ドイツのIFO経済研究所が発表した3月の同国企業の景況感指数が前月比で7カ月ぶりに改善。欧州景気に対する過度の警戒感は後退したものの、投資家のリスク選好意欲は依然乏しく、安全資産とされる金が買われ、じりじり値を上げる展開となった。
米連邦準備理事会(FRB)が先週半ばに年内の利上げ見送り方針を示したことも、金利を生まない資産である金にとっては引き続き追い風となった。
<米原油先物> 世界的な景気減速懸念を嫌気し、3営業日続落した。
前週末に発表された欧州と米国の製造業購買担当者景況指数(PMI)が振るわなかったことを受け、世界的な景気減速懸念が再燃。また、22日に景気後退の前兆とされる「長期金利逆転(逆イールド)」が起こったこともエネルギー需要の先行きに影を落とし、原油売りが先行。相場は午前中に一時58.17ドルまで下落した。
ただ、石油輸出国機構(OPEC)主導の協調減産効果への期待や、米国の制裁を受けているイランやベネズエラの供給逼迫(ひっぱく)懸念が根強いことが相場を下支え。
ドル/円 NY終値 109.95/109.98 <JPY21H=>
始値 110.16 <JPY=>
高値 110.21
安値 109.76
ユーロ/ドル NY終値 1.1311/1.1315 <EUR21H=>
始値 1.1313 <EUR=>
高値 1.1332
安値 1.1304
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 102*21.50 2.8662% <US30YT=RR>
前営業日終値 102*07.00 2.8890%
10年債(指標銘柄) 17時05分 101*29.50 2.4054% <US10YT=RR>
前営業日終値 101*15.50 2.4550%
5年債(指標銘柄) 17時05分 100*28.00 2.1866% <US5YT=RR>
前営業日終値 100*17.75 2.2550%
2年債(指標銘柄) 17時05分 100*15.00 2.2499% <US2YT=RR>
前営業日終値 100*10.25 2.3290%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 25516.83 +14.51 +0.06 <.DJI>
前営業日終値 25502.32
ナスダック総合 7637.54 -5.13 -0.07 <.IXIC>
前営業日終値 7642.67
S&P総合500種 2798.36 -2.35 -0.08 <.SPX>
前営業日終値 2800.71
COMEX金 4月限 1322.6 +10.3 <GCv1><0#GC:>
前営業日終値 1312.3
COMEX銀 5月限 1556.7 +16.0 <SIv1><0#SI:>
前営業日終値 1540.7
北海ブレント 5月限 67.21 +0.18 <LCOc1><0#LCO:>
前営業日終値 67.03
米WTI先物 5月限 58.82 ‐0.22 <CLc1><0#CL:>
前営業日終値 59.04
CRB商品指数 184.3071 +0.1523 <.TRCCRB>
前営業日終値 184.1548