世界で一番「凍えるプレゼン」で勝ち残った、日本人起業家

2019/3/20
マイナス15度の極寒に、起業家たちの熱気が湯気だっていた──
凍てつく海に開けられた穴の中でピッチをした日本人は、これまで彼以外にはいないだろう。
ITベンチャーfunky jumpの青木雄太社長だ。
「東北から世界に冠たる大企業を作る」と豪語する弱冠27歳の青木社長は、東北どころか北極圏に近い、極寒の地フィンランドで一つの結果を出していた。
◆氷の海でのピッチ、動画はこちら⇩
3月12〜13日、フィンランド北部・オウルで開かれた「ポーラーベア・ピッチング」。その名の通り、ホッキョクグマのように氷の海に入ってピッチを行うという一風変わったイベントで、青木氏は決勝まで駒を進めたのだ。
インターネットを通じてリアルタイムで世界に向けて配信され、今やIT業界の冬の風物詩として世界的に有名になりつつあるこのイベントに、日本のスタートアップが参加するのは初めてのこと。
一見ファニーな力士の格好で会場を盛り上げ、「人間の記憶を拡張したい」と訴えた青木氏のピッチは、確かに異国の審査員たちの心に響いていた。
日本から約12時間。北欧に足を運び、極寒の地で極寒の海に入り、ピッチに挑んだ理由とは一体何だったのか。そして、彼が実現したい新たなビジネスとは。
青木雄太(27) 群馬県出身、今年2月にITベンチャー「funky jump」設立。東北大学在学中に東日本大震災を経験し、パナソニックへの就職を機に一度東北を離れるも、起業と同時に再び東北へ。拠点を仙台に構え、今夏のサービスローンチに向け精力的に活動中。日本人として初めてポーラーベア・ピッチングに挑戦した。写真のポーズが、社名の由来となったfunky jumpというダンスのムーブ。

日本人が登らない山に挑む

Who wants to be next Peter Teal?  We need initial investment, 150,000 EUR for developing much more effective system and argorism.(青木さんのピッチより)
──北極圏に近いポーラーベア・ピッチングに目をつけたのはなぜなのでしょう。やはり資金調達でしょうか。