[東京 19日 ロイター] - 日銀が19日に発表した昨年10─12月期の資金循環統計によると、家計が保有する金融資産残高は12月末時点で1830兆円となり、前年に比べて1.3%減少した。前年比マイナスは10四半期ぶり。株価下落により、投資信託や株式の残高が減少したことが要因。12月末としては、10年ぶりに前年末比減少となった。

家計の金融資産のうち、保有の過半を占める現金・預金は984兆円と同1.6%増加したものの、10―12月期の株価下落を受けて、家計が保有する株式の時価評価額が減少。株式残高は175兆円と同15.3%減少した。減少は8四半期ぶりで、減少幅は09年6月末の16.95%減以来の大きさとなった。投資信託も同12.4%減となった。

企業の金融資産も同4.5%減の1142兆円となり、10四半期ぶりに減少した。株式残高が330兆円と同19.1%減少するなど株価下落が影響した。現預金は同3.8%増の262兆円となった。

国庫短期証券や財融債を含めた国債残高は同1.6%増の1111兆円。このうち大規模な国債買い入れを続けている日銀が478兆円を保有し、残高は過去最高を更新した。ただ、国債残高に占める比率は42.99%と、9月末の43.00%からわずかに低下。日銀では、中央銀行と市場全体で時価変動の出方が異なるほか、日銀による短期国債の保有減が影響していると説明している。比率が低下したのは、12年3月末以来のこと。海外は残高が同9.5%増の134兆円、保有比率は12.1%となり、それぞれ過去最高となった。

10─12月期に年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)や共済年金など「公的年金」は、長期国債(財融債含む)を3822億円売り越した一方、株式を1兆1585億円、外国証券を1兆9944億円いずれも買い越した。

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