[モスクワ 5日 ロイター] - 米自動車メーカーのフォード・モーター<F.N>が採算が悪化している地域の事業立て直しの一環として、ロシアで2カ所の工場の閉鎖を検討していることが複数の関係筋の話で明らかになった。

閉鎖が検討されているのはレニングラード州とタタールスタン共和国にある工場。両工場が閉鎖されれば、フォードがロシア国内で生産するのは軽商用車のみとなる。

フォードのロシア事業の広報担当者は、新たな世界戦略の一環としてロシア事業の再編が検討されているとし、今年第2・四半期に最終決定することを明らかにした。ただ、レニングラード州とタタールスタン共和国の工場閉鎖についてはコメントを控えた。

フォードは2002年にレニングラード州にあるサンクトペテルブルクに工場を開設。国際的な自動車メーカーとしては初めてロシア国内で車両の組み立てを開始した。その後、11年にロシアの自動車メーカー、ソラーズ<SVAV.MM>と合弁企業を設立し、ロシア事業を運営している。

18年の販売台数は5万3234台と、前年から5.7%増加したが、ロシア全体の市場の伸びの12.8%は大きく下回った。市場シェアも3%と、13年の3.8%から低下している。

関係筋は、フォードはロシア事業で大幅な赤字を計上していると指摘。ただフォードとソラーズはともに、ロシア事業の財務の健全性についてコメントを控えている。