KDDI、直営店やコールセンターでフィナンシャルプランナーを紹介
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注目のコメント
これは面白い取組みだと思います。個人向け資産運用サービスの付加価値ポイントが顧客接点に移行し、更にはそこで求められるのが単なる商品orポートフォリオ提案ではなく、顧客のライフステージに応じた資産計画の策定とその実行支援であることを考えると、対面チャネルを確保することは必須だと考えます。
一方、この記事によるとサポート内容として実際に金融商品の提案まで行なうということで、金融商品仲介業や保険募集人の登録を行ったうえで顧客の資産計画の実行支援を行うフィナンシャルアドバイザー(not フィナンシャルプランナー)を紹介・派遣すると思われますが、そこで如何にベストプロダクトポリシー(最良商品方針)を担保するのかが気になります。
保険商品はともかく、投資運用商品については、当該フィナンシャルアドバイザーの所属がKDDIアセットということであれば、提案する投資信託商品の候補は4つのみであり、可能な限り幅広い商品候補から顧客の資産計画の実行に最適なものを提案するというベストプロダクトポリシーの前提を確保することが困難です。
私がいつも投信会社の直販の事業可能性に慎重な姿勢を示すのも、このベストプロダクトポリシーの前提が欠如しているという立ち位置の不利さ・困難さゆえであり、足もとの金融庁審議会等での議論をみてもその不利な状況は更に進むと思われます(独立系運用会社の直販については、オンラインサロン的付加価値が伴うため、ビジネスモデルが異なると考えています)。
ただ、KDDIの提携先であるFPパートナーのリリースを読むと、その提携先はKDDIアセットではなく、KDDI本体であるようであり、そうすると将来的にはKDDIが49%出資するカブドットコム証券を委託会社とする金融商品仲介に基づくフィナンシャルアドバイザーの派遣へと展開する可能性もあり、ベストプロダクトポリシーの問題は解決するのかもしれません(カブドットコム証券が他のオンライン証券に比べて投信取り扱い数がやや少ないのとKDDIアセットの商品を提案する際の利益相反等の課題は残りますが)。