[ワシントン 3日 ロイター] - 米国と中国は、少なくとも2000億ドル相当の中国製品にかかる米国の関税を後退させる合意に近付いているもようだ。中国は構造的な経済変化を約束し、米国製品に対する報復関税を撤廃する。交渉内容の説明を受けた関係筋が3日、明らかにした。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は3日、米中両政府間の通商協議が進展したことを踏まえると、トランプ米大統領と中国の習近平国家主席が3月27日ごろに首脳会談を開き、正式に通商合意を結ぶ可能性があると報じた。

米国は8カ月に及ぶ貿易戦争で中国からの輸入品2500億ドル相当に懲罰関税を発動。一方、中国は大豆など1100億ドル相当の米国製品に報復関税を課している。

トランプ政権高官はこれまで、トランプ氏のフロリダ州の高級別荘「マールアラーゴ」で数週間以内に開かれる米中首脳会談で合意に「近付く」との見通しを示している。

交渉内容の説明を受けた同筋によると、首脳会談の日取りは未定だが、中国側は3月20日前後から10日の間に首脳会談を入れられるように日程を確保している。

交渉を巡っては、米知的財産の保護強化や技術移転強制の中止、産業補助金の抑制を巡って約束した政策変更を中国が順守するのを保証する実行メカニズムの条件を含め、依然として多くの項目を詰める必要がある。

WSJの報道によると、米国が制裁関税を撤廃する見返りとして、中国側は米国からの農産品や化学製品、自動車などへの関税を引き下げる見通し。

ただ、WSJの情報筋は、合意を阻む障壁はなお存在しており、双方ともに国内からは合意条件が相手国に有利との反発を受ける可能性があると指摘した。

合意の一環として、中国は米シェニエール・エナジー<LNG.A>から180億ドル相当の天然ガスを購入するという。

シェニエールは中国との新たな供給契約の可能性についてコメントを差し控えた。同社は昨年、中国石油天然ガス集団(CNPC)に2043年まで天然ガスを供給する契約を締結している。

ムニューシン米財務長官は2月28日、米中は特定の構造的問題に対するコミットメントを含む詳細な通商合意の策定に向け取り組みを進めていると述べている。

*内容を追加しました。