社外取締役、機能不全や細る人材 相次ぐ企業の不祥事
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注目のコメント
私は社外監査役をやりましたが、独立役員でもありました。
自分の経験から言うと、
「経営者に厳しい意見を言える人」ではダメだと思います。
正しくは、
「会社法等を理解してそれをベースに正しく意見を言える人で、結果的に経営者に厳しいことになっても平然としていられる人」
つまり言う時に、これは厳しいと思ってしまったら、なかなかストレートに言えないのです。正しいと思って言ったら、結果的に経営者に厳しいことになった、でも平然としていられることが必要です。
正しいと思えば、平然としていられる判断力が必要なんだと思います。社外取締役に多くを期待し過ぎる。
当の企業の業務に一定の経験があり、専門的な知見もあり、そして、経営者に意見できる者を選ぶこと自体がすでに著しく高いハードルだ。
それ以上に、経営陣と意見が対立した場合に、社外役員が本来の職務を果たせる体制が整えられるかが心許ない。新興ベンチャーで経営者と対立した社外監査役がいかに苦しい立場になるかは、『監査役の覚悟』(同文館出版)が参考になる。
耳の痛いことをまともに聞ける人は、経営者でもなくても少ないだろうことは容易に分かる。つまり、怒らせないように経営者に意見をするなんて芸当ができる社外役員は果たしているのだろうか?経営者に厳しく物言いするには当然のことながら、経営環境に対する知識と現場の状況への理解が必要な上に大きなリスクと責任が伴います。さらに言えば、詳細は分からなくても、経営側からの説明や、財務諸表に出てくる数字から突っ込みどころを発掘・類推し、確信を持って発言しなければ説得力はありません。そういう意味では経営者と同等か、もしかしたらそれ以上の高い技能が要求されます。で、当然ですが痛いところを指摘されると経営側は気分が悪くなりますから、雰囲気はめちゃくちゃ悪くなりますし、個人的関係は崩壊してしまうこともあります。さらに言えば、日本の場合特に「常勤でない」ことが常に批判の対象になります。日本には仕事してなくても「常勤」だと許される変な慣習が根強く残っています。そのため非常勤者の報酬は低めに抑えられるケースが多いです。
ということで、社外取締役というのはそんなに楽な仕事ではなく、場合によってはあまり割の合わない仕事でもあるのです。