世界で3番目に裕福な男が言うことなら、誰も異議を唱えないだはずだ。

私たちの魂に深く響き渡る言葉

ウォーレン・バフェットは私よりも賢い。はるかに聡明だ。だが、投資関連のすべてに関する彼の完璧な熟知を別にして、バフェットが私たちに授けてくれる世間的な知恵は、度肝を抜かれるようなものだろうか。
答えはおそらくノーだ。大事なのは、それを言っているのがウォーレン・バフェットだということだ。彼は、中学校の先生が私たちに教えるようなことを、最も簡単な言葉ではっきりと話しているだけだが、それがバフェットの口から放たれるということが重要なのだ。
もうすぐ90歳となる「オマハの賢人」は圧倒的な成功者であり、その良識は私たちの魂に深く響き渡る。
彼のアドバイスのなかには、すぐにあなたを変えるものもあるだろうが、そのアドバイスを自分の人生のなかで応用することが必要だ。「単なるドリーマー」から「優れた成功者」に変わる刺激を与えてくれる、バフェットの3つの教えを紹介しよう。

1. 必要ないもののために、自分の大切なものを危険にさらしてはならない

かつてバフェットは、フロリダ大学を卒業する学生たちに対してスピーチを行ったときに、個人であれ企業であれ、自身をリスクにさらしてさらに大きなものを追いかけようとしたケースをいくつか見てきたと語った。
たいていの場合は、思いとどまるべきだったのに、貪欲さからそうしていたという。
「自分にとって大切でないもののために、大切なものを危険にさらすとしたら、それは意味がない。成功のオッズ(掛け金の倍率)が99倍だろうと1000倍だろうと関係ない」

2. 誠実で倫理的な人々との関係を大切にする

さらにバフェットはフロリダ大学の学生に、長期にわたって成功を収めると思うクラスメイトを思い浮かべるように言った。残りの人生で、その人の稼ぎの10%でも得たいと思うような人についてだ。
「おそらく君たちが選んだのは、自分の最善のあり方で応えたいと思う人や、リーダーの資質がある人、そして、ほかの人に対してその興味を行動に移すよう後押しできる人だろう」とバフェットは言った。
「そうした人は、寛大かつ誠実な人だ。自分のアイデアであっても、ほかの人に譲れる人だ」

3. 人生の成功は「愛」で測りなさい

バフェットは、彼の伝記『スノーボール ウォーレン・バフェット伝』(邦訳:日本経済新聞出版社)で、人生における成功を測る至高の物差しは「あなたが愛して欲しいと思う人のうち、どのくらいの人たちが実際にあなたを愛してくれるか」だと説明している。
超大金持ちとしてこの世を去り、その名前にちなんだ建物が建てられたとしても「実のところ、その人を愛している人は世界で誰一人としていない」ような場合もあると、バフェットは言う。
結局のところ、どのように自分の人生を生きたかがわかる究極の基準は愛なのだ。
「愛の難しいところは、お金で買えないところだ。セックスや表彰パーティーはお金で買える。しかし、愛を得るための唯一の方法は、愛される存在であることだ」とバフェットは語っている。
「小切手を書いて『100万ドル分の愛』を買いたいと思う人もいるかもしれない。しかし、愛はお金では買えない。たくさんの愛を与えれば与えるほど、多くの愛を得られるのだ」
原文はこちら(英語)。
(執筆:Marcel Schwantes/Founder and Chief Human Officer, Leadership From the Core、翻訳:ガリレオ、写真:Eoneren/iStock)
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This article was translated and edited by NewsPicks in conjunction with IBM.