[東京 20日 ロイター] - 財務省が20日公表した1月の貿易統計によると、輸出は前年比8.4%減の5兆5742億円、輸入は同0.6%減の6兆9895億円となった。対中輸出が前年比17.4%の大幅減だったほか、半導体製造装置の輸出は同27.8%と急減。米中貿易摩擦と世界的なIT(情報技術)需要の変調が影響したとみられる。

輸出入の差額である貿易収支は1兆4152億円の赤字となった。ロイター予測中央値は1兆0110億円の赤字。

貿易収支の赤字は4カ月連続で、輸出は2カ月連続の減少、輸入は10カ月ぶりの減少だった。

対中輸出は9581億円、2017年1月以来の1兆円割れとなった。コネクターやプラスチック、液晶製造装置、鉄鋼などの輸出が減少した。

中国を含むアジア向け輸出も前年比13.1%減の2兆9109億円。韓国向けの半導体製造装置や各国向け鉄鋼などが減少した。

対欧州連合(EU)輸出も同2.5%減の6993億円、タンカーや印刷機部品などが減少した。

一方、対米輸出は前年比6.8%増の1兆1395億円となった。自動車や医薬品の輸出が増加し、トランプ米政権が注視する対米貿易収支は3674億円の黒字だった。

輸入が前年比マイナスとなった主な要因について財務省側は原油価格の下落と数量減などを挙げている。イラン産原油やロシア産ナフサなどの輸入が減少した。

*内容を追加します。

(竹本能文)