この連載について
石の武器、鉄の鍬、紙や磁石などの記録媒体ーー。時代が求める優れた新素材の誕生は、文明を次のステージへ飛躍させてきた。そして今、自然界に類を見ない人工材料を開発する最先端では、いかなる新素材が生まれようとしているのか。未来を読み解くヒントとなる、新素材の世界へ誘おう。
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本日はTBMの挑戦に加え、現代最大の発明とも言える「プラスチック器時代」150年史を振り返ります。
そして、日本からうまれる大量のプラスチックごみはどこへ向かうのか。「プラスチック器時代」に生きる我々自身が、再考するときが来ています。
個人的には、人が活動する以上、ゴミが意図しない形で流れていく、というのは避けられないんじゃないかと考えています。ごみ処理をちゃんとやろう、では解決しきれない問題がある。
化学屋素材の力で解決したいところではありますが、どちらかというと、海洋に流出したゴミのうまい回収方法が見いだせないかな、と期待しちゃうところ。
オランダのスタートアップの海洋ゴミ回収ベンチャーである、ocean cleanupには注目しています。
https://www.theoceancleanup.com/
先日、First trialが終わったみたいですが、改良の必要性がわかったようで、今後が気になります。諦めないでほしい!
あとは、ゴミ拾いベンチャーのピリカさんは、地に足の着いた地道な調査活動を続けられていて、大ファンです。色々な河川からゴミを集めてきて、どんなゴミがどれくらいの量流れているか、を調査されています。こういう調査なしには、効率的なアクションを決められないはずなので、ありがたい限り。
https://corp.pirika.org/
ところで、父ちゃんの好みの影響なのか、なぜかうちの子たちの間で、素材あてクイズが流行しています。コップを指して「これはガラス?」「そうだね」「これは?」「それはステンレスかな・・・」「それはプラスチックだね」。
と、いうわけで、プラスチックってなんだ?というのを未就学児にも説明する必要に、日々迫られているわけですが、これがなかなか難しい。
熱をかけるとぐにゃっとなる、熱可塑性樹脂のことをプラスチックと呼ぶのだと思いますが、たとえばフリースに使われているのはPET繊維。広い意味ではPETボトルと一緒。
そもそもの用語の定義の問題でもあるんですが、いろいろな場所で、いろいろな形で使われているんですよね。
排気設備さえしっかりしている場所を確保できれば、いろいろ火にかけて、グニャッとなるかどうか、子どもたちと実験したいと考え中。
カネカの技術もすごいですが、積水化学の技術も素晴らしいです。
まさに「都市油田」ですね。
https://www.sekisui.co.jp/news/2017/1314802_29186.html
https://diamond.jp/articles/-/164438
プラスチックがこれだけ普及したのは、大量生産が可能で、なおかつ大量の需要があったからです。プラスチックゴミは確かに大変な問題で、中国が廃棄物を受け入れなくなった今、別の受け入れ先であるタイやマレーシアといった東南アジア諸国では、すでに相当大きな問題になっています。環境問題や観光産業への影響もいずれ考えられるでしょう。
だからといって、今さら絹や木綿、紙に戻るわけにもいきません。これらの素材はプラスチックほどの大量生産はできません。これまではプラスチックのリサイクルが本命でしたが、そこまでの割合ではなかなかできないことがはっきりしてきました。全く新しい素材が出てくれば別ですが、生分解性プラスチックの低コスト化というような、プラスチックを使い続けながら、問題が出ないようにする方向での技術革新が、当面の本命でしょう。
いま、プラ代替素材の探索が進む中、機能面や生分解性での議論が先行していますが、現在の各種プラ製品と同程度の量産性を達成できない限り、当面はあらゆる製品に無視できないレベルのコストアップが生じます。服も、シャンプーなどの日用品も、化粧品も、電子機器も、全てです。販売者がこれを吸収するのか、価格に転嫁するのかにもよりますが、必ず誰かが負担することになります。今と同じ利便性を維持したいなら避けられない議論です。
また、生分解性にしとけば今まで通り捨て放題で海にうっかり流れまくっても大丈夫なのかというとそれも違うと思いますし、環境を考えるなら「使い捨てをやめる」など、これまで享受してきた利便性を手放すことが第一になるでしょう。
これを受け入れる覚悟ができたら、そこが歴史の転換点になり得る思います。
プラスチックについて、知らないことばかりでした。
「1950年以降、全世界では実に83億トンものプラスチックが生産された。シロナガスクジラに換算すると約6000万頭分だ」
広さを表す「東京ドーム◯◯個分」に対抗する、新しい基準も登場しました笑。
ただ、そのシロナガスクジラ約6000万頭分のうち、リサイクルされているのはで8%足らずで、大半は埋立・廃棄されている。
マイクロプラスチック(5mm以下の砕片)やマイクロビーズとなって、海を漂い、海の生物を経由して人の体内にも入ると聞けば、笑えません。
代替素材の研究開発が進んでいるという話が、この記事における「救い」です。
整形の容易さ、軽さ、低価格など、利点の多いプラスチックですが、置き換えが可能ならば、消費者としてもメーカーとしても、もちろん置き換えたい。
この市場性はとてつもなく大きい、ですね。
現在,積極的に開発されている複合材料(炭素繊維やセラミックス繊維,ガラス繊維など)も懸念されていることですが,どのようにリサイクル性まで考慮した開発に踏み込むのか,いかに無害化を目指した設計・開発を行っていくのかといったことが求められていきそうです。
世界でプラスチック規制が強まっていますが、日本はまだ踏ん切りがついていない。海洋国日本は世界に先駆けて、脱プラを推進すべきではないでしょうか。美しい日本を守るために。
スーパーなどで人々が手にするポリエチレン製の袋はLDPEと呼ばれるものが主流であり20um程度の厚みの袋になっている。ポリエチレンはナフサから作られるわけだが、まずペレット状の原料を熱で溶融し、風によって吹き上げて筒状にして上で巻き取るインフレーション加工で作られることが多い。(ちなみにレジの後に肉とか入れる薄い15um程度の厚さの袋はHDPEで作られてることが多い。)クリーニング袋はPP(ポリプロピレン)製のことが多い。
筒状の下側を裁断し熱融着でシーリングし、上側を抜いていくことで袋状になる。こうした加工を製袋加工と呼ぶ。その前後で印刷工程に入る。普通は抜きの前に印刷。
レジ袋はタダでは作れないし、原価ベースでも1ー2円はするだろう。有料化ないしは廃止は抗えない流れと思う。
一方で食品加工などではシュリンクフィルムなど特殊なフィルムがあり、こちらは加熱することで縮むフィルムなどがある。こちらは国内で主要メーカーは4社ほどと言われている。
また、医療用包材(薬用途など)や電子部品関係で言えばマスキングフィルムやダイシングフィルムもインフレーション加工で作られるグレードがある。(押し出し加工で作られるPETなどとはフィルムになったときの耐熱性などで差があるため、用途に応じて使い分けられているという理解)
ちなみに日本国内だけでもインフレーション加工でこうした袋を作るメーカーは大小300社ほどあると言われており、人々の生活に密着している産業。なかなか統廃合が進まないのは非常に小ロットで小売に配送されているからという理解。
あとセルロイドとかベークライトとか…素材好きにはワクワクする名前!富士フイルムはダイセル(旧大日本セルロイド)という会社からスピンアウトしてできた会社で、写真や映画のフィルムが昔は硝酸セルロイド製だった。ただセルロイドは発火しやすく、時代とともに変わっていった。
その発火しやすい性質を逆手に生かしたのが自動車のエアバッグ(ダイセルは世界大手の一社)。エアバッグ自体にはセルロースは使われていないと思うが、硝酸セルロースも火薬の一種で、その制御技術などを活用している形。こうやって素材自体や用途が進化してきた歴史。
(記事自体に関するコメントはもう皆様がされていて、結局本論以外のコメントが長くなってしまうといういつものオチ…m(==)m)