【堀場厚】人の真似をしてたら、「世界一」は生まれない

2019/2/17
もっとも「京都らしい」企業はここかもしれない
1945年に、世界の大学ベンチャーの先駆けとして創業した堀場製作所は、その技術力を武器に、ニッチな分野で「世界一」を積み重ねている。
特に、世界シェア1位の排ガス測定装置は、世界シェア8割にも上り、欧州での2015年のフォルクスワーゲンの排ガス不正発見でも活躍した。ほかにも、半導体向けの初の国産マスフローコントローラーも世界トップとなった。
また、国際的な買収のうまさでも知られ、今や従業員のうち、半数以上が海外というグローバル企業に育っている。
なぜ、堀場を世界へと駆り立てるのか。そして、なぜ京都企業はこの時代を生き抜けるのか。創業家の息子であり、堀場をグローバル企業へ育て上げた堀場厚CEOに、最新鋭の「びわこ工場」で直撃した。
堀場厚(ほりば・あつし)/堀場製作所会長兼グループCEO
1948年生まれ。甲南大学理学部卒業後の1971年堀場製作所の米国拠点に入社。カリフォルニア大学大学院修了後、堀場の海外本部長、専務などを歴任し、1992年に同社社長に。2018年から現職。

「都落ち」から雪崩現象

──一般の工場のイメージを覆すオープンな施設ですね。
そうでしょう。うちは工場といいましても、研究開発の会社ですし、一般の工場とイメージが違うかもしれません。
ここには京都出身の人たちが3割ぐらいいるんですね。
その人たちからすると、滋賀の大津に移ってくるのは「都落ち」というイメージがどうしてもあったんですね。