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これは、仮想通貨の問題ではなく、通常のビジネスでも起こり得る可能性が高いと思います。

同夫人は夫のパスワードはおろか、会社の記録を一切見つけることができず、裁判所文書によると、専門家がコットンCEOのコンピューターや携帯電話への侵入を試みたが「成果は限定的」だった。
→これは、別の次元でかなりリスク管理がなっていないでしょう。
これは氷山の一角で、デジタル死蔵資産は今後、大きな問題になるのではないか。と言うかもうそこここで起きているだろう。
この事件は一週間ほど前から暗号資産メディアでは注目され、私も一通り論評していたが、ようやく一般メディアに掲載された。情報が増えた訳ではなく、日本のマスコミもロイターに載ったから報道したのだろう。

一般論として、秘密鍵が失われた暗号資産は誰にも移動することができないから、無価値になる。救済することはできない。この問題はビットコインが実装された直後から議論されていたが、サトシ・ナカモトがコミュニティに投稿した文書では「そういった事象は起こり得るが、その場合は他のビットコインの所有者の利益になる」と述べたという。元々、秘密鍵を厳格に管理することが求められており、それを失った場合は自己責任というのが、中央を持たないビットコインの原則であり、それは他のアルトコインにも受け継がれている。

システムについてプロではない一般の個人投資家は、こういう厳しいルールには耐えられないので、暗号資産ごと、交換業者やカストディに預けてしまう。こうすれば、IDとパスワードのような簡単な認証手段で取引できるし、もしパスワードを忘れても、手続きを踏めば資産を失うことはない。こうした、ブロックチェーンに繋がない、交換業者のデータベースを書き換えるだけの取引は、全体の95%を占めるとも言われるけれど、それは資産を預けている交換業者を信頼して預けているのであって、ビットコインの理念である「信頼できる仲介者がなくても取引できる」から、随分と乖離してしまっている。

今回の事件の真相は不明だが、E&Yの報告書によれば、コールドウォレットに資産はないか、コントロールできないか、あるいはその両方、と伝えられている。経営者といえども突然の事故で亡くなることは常にあるのだから、その死で営業が停止するような個人企業に毛が生えたような業者に、何百億円もの資産を預けること自体が、普通はありえないことだ。日本で起きた事件も、ベンチャー気分の抜けない交換業者のサイバーリスク対策の不備だったが、それと同根の事件である。

暗号資産は非中央集権でブロックチェーンに書かれた情報が取り消せないから、法定通貨よりも安全だ、というのは、セールストークである。実際には、交換業者に資産を預けた時点で、非中央集権ですらなくなっている。そして交換業者の信頼性は、まだまだこれからの問題だ。現実をしっかり認識する必要があるだろう。
暗号化、コールドウォレットでの管理などセキュリティを高めるために行なっていたことが、結果的に万一の際に引き出せないという結果に。
解決法はあるのでしょうか。
規制が導入されていない国、規制が機能していない国では、こうしたリスクは相応に高いと思われます。
日本もかつては、導入された規制がまだ機能していない国でしたが、現在の日本の仮想通貨交換業登録手続きをクリアしようとすれば、考えうるあらゆるリスクを想定し、対応が求められていて、こうしたことは起こり得ません。
現在交換業登録手続きを進めているマネーフォワードフィナンシャルでも、仮に代表である私が死んでも、秘密鍵の管理をはじめとする顧客資産はビクともしない管理手法を構築しています。
ただ、こうしたニュースが続く事により、仮想通貨の危険性ばかりがクローズアップされ、健全な取り組みや新しいチャレンジが阻害されていくことがとても残念です。