[北京 31日 ロイター] - 中国国家統計局が発表した1月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.5と、業況改善・悪化の分かれ目となる50を2カ月連続で下回った。

前月の49.4から小幅上昇したものの、節目の50は引き続き割り込んだ。ロイターがまとめたアナリスト予想は49.3だった。

政府による経済活動の支援策にもかかわらず、米国との貿易戦争がさらに長引けば、中国は想定を超える大幅な成長鈍化に見舞われる危険があるとの懸念は強まっている。

製造業PMIの内訳を見ると、指数の悪化は、今後の動向を示唆する新規受注の減少が要因であることが分かる。政府は支援策強化を検討する中、製造業者が雇用削減を継続している点を注視している。

新規受注指数は49.6と、昨年12月の49.7から低下。国内外の需要が引き続き弱い中、50を2カ月連続で下回った。

新規輸出受注指数は46.9と、8カ月連続で50を下回ったが、12月の46.6は上回った。

受注の減少にもかかわらず、生産指数は50.9で、12月の50.8から上昇した。

一方、産出指数は12月の50.8から50.9に小幅上昇した。

<世界的な成長鈍化>

欧州を中心に需要が世界的に低迷していることを踏まえると、米中間の通商協定は中国の輸出のための解決策にはならないと多くのアナリストは指摘している。

国際通貨基金(IMF)は先週、世界の経済成長率予想を下方修正し、保護主義の問題を解決できなければ、既に減速している世界経済を一段と不安定にするとの見方を示した。

IMFは中国の2019年成長率予想を6.2%に据え置いたが、通商摩擦が長引けば予想を下回る可能性があるとした。

中国の成長率は2018年第4・四半期に6.4%を記録したが、19年上期には6%を割り込み、その後年末にかけて安定すると一部のアナリストは指摘する。

一方、この日同時に発表された1月の非製造業PMIは54.7と、前月の53.8から上昇し、節目の50を大きく上回った。上昇は2カ月連続で、国内外の需要低迷を背景に景気が減速する中で、一部セクターが堅調であることを示唆した。

1月の総合PMIは53.2と、前月の52.6から上昇した。

サービス部門は中国経済の約半分を占める。ただ、消費者の需要や信頼感はこのところ低迷している。1月の卸売、輸送、金融サービス部門は堅調だったが、建設部門の伸びは鈍化した。

PMI統計によると、中小の製造業者が引き続き景気低迷の影響を特に受けており、中小企業向けの支援資金が民間部門に十分に行き渡っていないことが示された。一方、国有企業など大手企業は先月、若干の改善がみられた。

*内容を追加しました。