[東京 30日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ同水準の109円前半。輸入企業の買いが一巡した仲値以降は、アジア株安を背景にドルが売られる展開となったが、下げ幅は限定的だった。昨日から開催されている米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を明日の早朝に控え、短期筋の間でも様子見ムードが広がった。

ドルは朝方の109.44円付近の高値をつけたが、仲値後は日本や中国の株安を背景に、じり安の展開となった。市場参加者の間では、午前の取引でマザーズ指数先物のサーキット・ブレーカーが発動され、現物の東証マザーズ指数が7%超の大幅安となったことが話題となった。

ドルの安値は109.21円と売り圧力も限定的。米企業決算や米連邦公開市場委員会(FOMC)、閣僚級の米中通商交渉など注目材料が相次ぐため、手控えムードも強かったという。

FOMCの結果は明日の東京時間早朝(午前4時台)に明らかになる予定だ。

「米中通商協議の期限やブレグジットなどを控え、3月の利上げは事実上、厳しくなったとみている。パウエル議長の記者会見では、FRBのバランスシート縮小の停止について何らかのヒントが出るかも知れず、警戒している」(外為アナリスト)との指摘が聞かれた。

FRBは2017年10月から段階的にバランスシートの縮小を開始した。

FRBの計画では、月額100億ドルの債券(米国債60億ドル、MBS40億ドル)を償還させることから始め、3カ月ごとに100億ドルずつ増やして、昨年10月から月額500億ドルの証券を償還させるとしていた。

しかし、10月―12月の保有証券減少額は400億ドル弱だった。

昨年12月18―19日に開かれたFOMCの議事要旨では、FRBの保有債券の縮小についてメンバーらが議論したことが明らかになっている。

早朝取引で急落した英ポンドは142円後半で下げ止まり、午後3時過ぎの時点で143.12円付近。「合意なき離脱リスクがまだあることは変わらない」(外銀)という。

市場では交渉期間の延長や、合意なき離脱を議会が拒否できる権限を持つ修正案が否決されたことが、売り手がかりになったとの指摘が出ている。

採決がいずれも僅差だったため、依然として国内の主張が二分した状態に大きな変化はないとの見方もあった。「メイ首相には厳しい交渉が待ち受けている」(トレーダー)といい、先行き不透明感の強い情勢は続きそうだ。

ドル/円<JPY=>  ユーロ/ドル<EUR=>  ユーロ/円<EURJPY=>

午後3時現在 109.26/28 1.1444/48 125.06/10

午前9時現在 109.41/43 1.1432/36 125.12/16

NY午後5時 109.38/41 1.1430/34 125.04/08

(為替マーケットチーム)