[ダボス(スイス) 23日 ロイター] - イタリアのコンテ首相は23日、今年は国内の経済成長が加速し、成長率は予想を上振れるとの見通しを示した。首相は世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)で「政府の改革は今春に開花する。わが国の経済成長は年末までに驚くほど加速すると確信している」とした上で、「成長率は年末時点で政府目標の1%を大幅に上回るだろう」と語った。

ただ、国際通貨基金(IMF)は最近、同国の成長予想を0.6%に下方修正するなど、首相とは異なる見通しを示している。

イタリア国債とドイツ国債との利回り格差については足元の250ベーシスポイント(bp)超から150bp程度まで急速に改善すると明言した。

国内の銀行システムは安定しており十分な資本があると表明。また経営難に陥っているカリジェ銀<CRGI.MI>については必要に応じて国が介入し救済する用意があるとした。

国内銀行は過去3年間で不良債権を圧縮しているほか、海外の銀行と異なりデリバティブへのエクスポージャーも低いと指摘。その上で、カリジェ銀の状況を注視しており「必要であれば国には介入手段がある」と強調。ただし国が介入するよりも資本増強や経営統合など市場による解決が望ましいとした。

カリジェ銀は22日、20億ユーロの債券発行に向け政府保証を獲得したと発表。12カ月物と18カ月物の政府保証債2銘柄につき発行手続きに入ったことを明らかにした。[nS8N1YP0AO]

首相はインタビューで「金融の安定も大切だが、社会の安定や困っている人に寄り添うことの方がより重要だ」と話した。

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