[ワシントン 22日 ロイター] - トランプ米政権は22日、2020年の国勢調査で米市民権の有無を問う追加質問を行う計画について、下級審の無効判断を受けて、連邦最高裁に調査準備の期限である6月までに司法判断を示すよう求める方針を明らかにした。

ニューヨーク州マンハッタン連邦地裁は今月15日、市民権の有無を尋ねる質問を追加するというロス商務長官の「恣意的かつ気まぐれ」な決定には隠れた動機があると指摘し、連邦法違反のため無効とする判決を言い渡している。

司法省は裁判所に提出した資料で、同問題についてニューヨークにある第2巡回区控訴裁判所(高裁)を飛び越えて、最高裁で速やかに再審理するよう求める方針を示した。国勢調査の調査票は6月に印刷する必要があるため時間は限られており、保守派が多数を占める最高裁が数カ月間で決着をつけることに期待をにじませた。

ノエル・フランシスコ訟務長官は提出資料で「この期限までに控訴裁と最高裁の両方で審理する十分な時間があるとは想定し難い」と主張した。

米18州と15都市、市民団体などは、市民権の有無を尋ねる質問を復活させる決定の撤回を求めて提訴しており、中南米系などの移民が恐怖心から調査に協力しなくなると主張している

国勢調査は人口を把握するために10年おきに実施され、結果は議会下院の議席や予算の配分に反映される。市民権の有無を問う追加質問は1950年以降、行われていない。

不法移民が調査に協力しなくなれば、人口が実際よりも少なく報告され、マイノリティを代表する主に民主党の議員が議会に占める割合が低下することになるとの批判がある。