[東京 22日 ロイター] - 東京製鉄<5423.T>は22日、2019年3月期の業績予想を上方修正した。10─12月期に鋼材の販売価格から原材料となるスクラップ価格を差し引いた利幅(メタルスプレッド)が想定以上に拡大したことに加え、出荷数量が計画を上回ったことなどを反映させた。

会見した奈良暢明取締役は「国内需要が強い中、原料価格が下がり利幅が拡大している」と説明した。

営業利益予想は前年比43.2%増の150億円(前回予想130億円)に、純利益予想は同28.3%増の145億円(同120億円)に、それぞれ引き上げた。

営業利益予想はリフィニティブがまとめたアナリスト13人の予測平均値147億円を若干上回っている。

10─12月期の販売単価は1トン当たり7万8200円(計画比700円増)、スクラップ単価は同3万6200円(同1800円減)となり、メタルスプレッドは同4万2000円と計画よりも2500円拡大した。出荷数量も72万トンと計画を2万トン上回った。

奈良取締役は「メタルスプレッドが4万円を超えることはなかなかない。国内需要が堅調なのが大きい」と語った。

四半期ベースで出荷が70万トンを超えたのは2012年4─6月期以来。販売単価は2009年1─3月期以来の高い水準となる。

売上高予想も前年比26.1%増の2070億円(前回予想2060億円)に上方修正した。

2018年4―12月期は売上高が前年比27.3%増の1544億円、営業利益は同6.1%増の111億円、純利益は同5.4%増の105億円だった。国内が建設向け、製造業向けともに堅調だった。

同社は同日、発行株の2.36%にあたる330万株を上限とする自己株取得を決議したと発表した。取得期間は1月23日から12月31日まで、取得総額は上限30億円。

*内容を追加します。

(志田義寧)