[11日 ロイター] - <為替> ドルが対ユーロで上昇した。テクニカル的な要因が支えとなったが、米連邦準備理事会(FRB)が追加利上げに慎重な姿勢を示す中で、ドルに対する見通しは引き続き暗いままとなっている。

投資家はドルの上値に対し引き続き慎重だった。

今週発表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を背景にドルが売られ、ユーロは1.1581ドルに上昇。3カ月ぶりに100日移動平均線を突破した。

米労働省が11日発表した2018年12月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前月比0.1%下落と、3月以来9カ月ぶりのマイナスとなったが、市場への影響は限られた。

午後の取引で、ドル指数は0.1%高の95.660。

ユーロは0.3%安の1.1465ドル。

ドル/円は108.48円と小幅に上昇。カナダドルは0.3%安。

<債券> 国債価格が上昇(利回りは低下)。株安に反応したほか今週の国債入札を無事消化したことが支えとなった。株価は不安定な値動きとなる中、この日6日ぶりに反落した。

10年債は10/32高、利回りは2.697%と前日の2.731%から低下した。利回りは前週、パウエル連邦準備理事会(FRB)議長のハト派発言でリスク選好が高まる中、1年ぶりの水準に低下していた。パウエル氏は前日、安定的な物価指標を踏まえ、FRBは金融政策に忍耐強くなれると強調した。

市場では米中通商協議や政府機関閉鎖の行方が引き続き焦点となっている。

<株式> 6営業日ぶりに小幅反落。エネルギー株が売られた。来週から本格化する企業決算の発表が注目される。

S&Pエネルギー株は0.63%安。原油先物が10日ぶりに反落したことに追随した。

S&P金融株は0.17%高。

来週決算を発表するシティグループは0.44%高、JPモルガン・チェースは0.48%安。シティを巡っては、帳簿へのアクセスや取締役なども関して物言う株主のヘッジファンド、バリューアクト・キャピタルと提携を深めることで合意したとのニュースが材料視された。

今週は米中通商交渉や米利上げペース減速への期待から、株価は好調に推移。この日は下落したものの、週足ではダウ工業株30種が2.4%、ナスダック総合が3.4%、S&P総合500種は2.5%それぞれ上昇した。

個別銘柄では、ゼネラル・モーターズ(GM)が7%強上昇。2019年の業績について強気な見通しを示したことが買い材料となった。

ネットフリックスは約4%高で終了。年初来の上げは26%に達した。アナリストの間からは、長期成長期待を背景に投資判断や目標株価を引き上げる動きが相次いだ

半面、ゲームソフトのアクティビジョン・ブリザードは9%強安。アクションゲーム「デスティニー」の販売権を開発元のバンジーに移管すると発表したことが嫌気された。

<金先物> 米株安などを背景に買いが優勢となり、小反発した。中心限月2月物の清算値は前日比2.10ドル(0.16%)高の1オンス=1289.50ドル。 米株価の下落を背景に投資家心理のリスク選好意欲が後退したことから、安全資産とされる金に買いが入った。

朝方発表された2018年12月の消費者物価指数(CPI)は 前月比0.1%低下し、9カ月ぶりにマイナスとなった。インフレ指標が弱めだったことで、米連邦準備理事会(FRB)による利上げペースが減速するとの観測が強まった。これを受け、金利を生まない資産である金は買い地合いが継続した。

ただ、外国為替市場では午前の早い時間帯に対ユーロでドル高が先行。ドル建てで取引される金塊などの商品に割高感が生じたことから、金塊相場は大きく上値を削った。

<米原油先物> 世界的な景気減速懸念がくすぶる中、週末を控えた利食い売りやドル高・ユーロ安の先行に伴う割高感に押され、10営業日ぶりに反落した。米国産標準油種WTI中心限月2月物の清算値は前日比1.00ドル(1.90%)安の1バレル=51.59ドル。 週間ベースでは7.57%高だった。3月物は1.00ドル安の51.91ドル。9日まで3日間の日程で行われた米中両政府による次官級貿易協議では「貿易戦争」の収束に向けた交渉に進展があったとの報などを好感し、過去2、3日間は約1カ月ぶりの高値水準で推移。週末のこの日はその反動から利益を確定する動きが優勢となった。また、外国為替市場では朝方にドル高・ユーロ安が進行し、ドル建てで取引される原油などの商品に割高感が生じたことも相場を圧迫。さらに、中国をはじめ世界的な景気減速懸念がくすぶり、エネルギー需要の先行きに警戒感が浮上したことから、原油相場は下押しされた。

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