[11日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が理事だった2013年当時、債券買い入れの早期終了を訴えていたことが、11日に公表された同年の連邦公開市場委員会(FOMC)8回分の議事録で分かった。

パウエル氏はバーナンキ氏が議長を務めた12年5月、メンバーに加わった。13年1月会合の議事録によると、債券買い入れを「労働市場が大幅に改善するか否かにかかわらず、年末までに終らせるよう提案した。

4月30日と5月1日の会合では、景気指標が改善し続ける限り、6月の金融緩和縮小を唱えた。市場が冷静に受け止めると自信を示し、「市場が大きくショック反応を示すようなやり方で行わない」と述べていた。

実際にはバーナンキ氏が5月、買い入れペースを落とす可能性に言及したことを受け、債券利回りが急上昇、株式相場は下落した。今回公表の議事録から、パウエル氏らFRB当局者が混乱前の時点で総じて、市場について見誤っていたことが分かった。

FOMCは12月の会合で、債券買い入れペースを落とす方針を公表した。公表が近づくにつれ、緩和縮小が発するメッセージを巡って当局者の間で議論が飛び交った。

パウエル氏は、緩和縮小を巡る市場混乱の影響や、9月の縮小見送り、景気指標が混乱させるシグナルを発した点を踏まえ、金融部門のリスクが増大する中、投資家はFRBが動くのは当分先とみていると指摘。10月会合で「FOMCが実際に縮小に動けば、(市場が)再び大きく反応する恐れがある」との認識を示した。

パウエル氏は、想定していたリスクは起こらなかったと認め、債券買い入れに関する認識を変えた。一段の景気低迷回避に向け買い入れは根本的に重要とし、深刻な景気後退が起きれば再び行う用意があるとの立場を示した。

(※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)