[オタワ 10日 ロイター] - カナダのトルドー首相は10日、米国がカナダに課した鉄鋼・アルミニウム関税について、撤回に向けトランプ大統領に圧力を掛けるよう米政財界に働き掛けていると述べた。TVで視聴者との質疑応答で語った。

トランプ大統領は昨年5月、安全保障を理由にカナダに鉄鋼・アルミニウム関税を適用。カナダは反発し、関税が撤回されない限り、米・メキシコとの新たな貿易協定には調印しないとしていたが、トルドー首相は結局「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」に署名した。

トルドー首相はテレビで、米国が同協定の批准手続き開始を準備する中、トランプ大統領に考え直すよう働き掛けていると述べた。

首相は「われわれは(米国の)議員や知事、および関税で悪影響を受ける企業と接触、批准手続きの過程で鉄鋼・アルミニウム関税の撤回を実現すべくトランプ大統領に圧力を掛けようとしている」と説明した。

米上院財政委員会のグラスリー委員長は9日、米国がカナダとメキシコに課している鉄鋼・アルミニウム関税は農家に痛手を与えている、と指摘。農業関係の利益団体から議会によるUSMCA批准について支持を得るためには、これらの関税を撤廃する必要があると述べている。