【高口康太】「怠け者エコノミー」が牽引する中国のトレンド
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寄稿しました。2018年の中国若年層消費のトレンドとして取りあげられていた「怠け者エコノミー」から2019年を占います。
中国の新たなビジネス、サービスは面倒を一つずつ減らし、利便性を上げていることが実感できます。やらなくてすむこと、外注できることはどんどん放り出していく「怠け者エコノミー」は今後も継続しそうです。"成熟し、審美眼をそなえ始めた中国人"という文脈があるのであれば、おそらく"懶人経済(怠け者エコノミー)"というトレンドはもう大きなトレンドではない可能性が高い。
利便性の追求というのは「機能の追求」であり、それは最終的には価格競争のレッドオーシャンになる道しかない。その時に勝てるのはビッグプレイヤーだけだ。ECにおいて利便性の追求の究極を極めるAmazonに対して、勝ち目のある企業はいない。
瑞幸咖啡(ラックインコーヒー)が猛烈な勢いでスターバックスを追い上げているのは、コーヒー市場において"スマフォアプリからの注文によって待ち時間なしにピックアップ"という利便性と、出血大サービスの安売り拡販路線で価格で勝負したからに過ぎず、この後もその戦いを続けることは難しいだろう。利益化ができない。
この次にトレンドになるのは「ブランド化」だろう。独自のブランドとしての価値を定義し、それをマーケットにどう共感してもらうか。そのトレンド傾向が出ているのは、中国人の"海外有名ブランドを身につけたいという「メンツ消費」は衰退に向かって"いて"脱ブランド化"が進んでいるのであれば、なおのこと独自ブランドの構築は鍵になる。
その上で、売るべきは体験であり、コミュニケーションであり、自己実現である。その意味において、すでに中国の国民の成熟度は、先進国と相違ないところまで来ているのだろう。マーケットとして中国展開する際には、このトレンドは無視してはならない。
QT:
”面倒を省く新サービス、これを中国では「懶人経済(怠け者エコノミー)」と呼んでいる”
"インターネットにおける若年層の消費トレンド
・オリジナル消費の大衆化
・有料コンテンツの多元化
・顔値(見栄えの良さ)エコノミー爆発(美容消費の急上昇)
・ファン・エコノミーの更新
・ペット消費のアップグレード
・SNS消費の「サークル化」
・レンタル・エコノミーの浸透
・「懶人経済(怠け者エコノミー)の全面的展開」”
”90後(1990年代生まれ)の消費の特徴
・忙しさ
・脱ブランド化
・モノ消費からコト消費への転換”