[北京 8日 ロイター] - 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は8日、中国の習近平国家主席と北京で会談し、開催が見込まれる米朝首脳会談について協議した。韓国の聨合ニュースが伝えた。

聨合ニュースは情報源を明らかにせずに、金委員長と習主席が1時間にわたって会談し、2回目の米朝首脳会談や中朝関係の強化について話し合ったと報じた。

また、会談の前には習氏と妻の主催による夕食会が開かれたという。

金委員長は昨年、トランプ大統領および韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領との首脳会談の前後に習主席と3回会談しており、両氏の会談は過去1年間で4回目となった。

米センター・フォー・ナショナル・インタレスト(CNI)のハリー・J・カジアニス氏は「金委員長は、米韓以外にも外交・経済面で選択肢があることをトランプ政権に示そうとしている」と分析した。

また、委員長が新年の辞で、米国が制裁と圧力を継続すれば「新たな道」を模索せざるを得ないと述べたことについて、中国への接近を暗に警告する意図があった可能性があるとの見方を示した。

北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)によると、金委員長は7日午後、夫人や複数の高官を伴い、列車で中国に向けて出発した。

中国国営の新華社も金委員長の訪中を確認し、同委員長が習主席の招請により7─10日の日程で訪中していると報じた。訪問の目的については触れていない。

韓国当局によると、8日は金委員長の35歳の誕生日とされている。

米国のポンペオ国務長官は7日、CNBCとのインタビューで、北朝鮮問題の解決に向けた中国の協力を高く評価するとともに、米中貿易摩擦は影響しないとの見方を示した。

長官は「中国はこれらが別問題であることを非常に明確にしてきた」と強調。「北朝鮮の核能力による世界的リスクを抑制する米国の取り組みにおいて、中国は事実、良きパートナーであり続けている。今後もそうであることを期待する」と述べた。

中国外務省の報道官は定例会見で、金委員長の今回の訪中と2回目の米朝首脳会談の可能性に関連はあるかとの質問に、中国は米朝間のコンタクトは重要と考えていると発言。

「中国は常に、両国が協議を継続し、前向きな結果につながることを支援してきた」と述べた。

韓国外務省は、金委員長の訪中を承知しているとし、今回の訪問や習主席との会談が朝鮮半島の完全な非核化と恒久的平和の達成という共通の「戦略的目標」に寄与することを期待すると表明した。

金委員長が訪問中に取り上げる議題は明らかになっていないが、委員長はこれまで、国際的な制裁の緩和や朝鮮戦争の終戦宣言を要求してきた。

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