[ニューヨーク 21日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では米政府機関閉鎖の懸念が高まるなか、安全資産としてのドルに買いが入った。

米議会下院は前日、トランプ大統領が要求するメキシコとの国境の壁建設費用50億ドルを含むつなぎ予算法案を可決した。しかし上院で承認されるめどは立っておらず、22日から政府機関が一部閉鎖されるリスクが一段と高まっている。[nL3N1YQ1C5]

こうしたなかトランプ大統領はこの日、上院はつなぎ予算案を可決せず、午前0時に一部の政府機関が閉鎖される公算が大きいなどと発言。これを受け米株価は大きく下落し、ダウ工業株30種は一時2017年10月以来の安値を付けるなどした。

ウエルズ・ファーゴ証券(ニューーヨーク)の外為ストラテジスト、ニック・ベネンブローク氏は「現時点では、トランプ大統領がつなぎ予算の可決に向け取り組むことに合意するのか、連邦政府の閉鎖に向かうのかは不明」とし、実際に一部の政府機関が閉鎖される事態となれば、ドルの上昇は来週も継続するとの見方を示した。

この日発表の米経済指標はまちまちだったが、ドル相場への影響は軽微だった。

第3・四半期の実質国内総生産(GDP)の確報値(季節調整済み)は年率換算で前期比3.4%増と、改定値の3.5%増から下方改定されたほか[nL3N1YQ4AA]、11月の耐久財受注統計は民間設備投資の先行指標とされるコア資本財(非国防資本財から航空機を除く)の受注が前月から0.6%減少した。[nL3N1YQ49V]一方、11月の個人消費支出(季節調整済み)は前月比0.4%増と、予想の0.3%増を上回った。[nL3N1YQ4QO]

キャピタルエコノミクス(ニューヨーク)のシニア米国エコノミスト、マイケル・ピアース氏は、経済指標は強弱混交となったものの、連邦準備理事会(FRB)の今後の利上げを頓挫させるものではないとの見方を示している。

終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は0.7%上昇の96.952。1日の上昇率としては2週間ぶりの大きさとなる。

ユーロ/ドル<EUR=>は0.7%安の1.1369ドル、ドル/円<JPY=>は111.27円と、ほぼ横ばいとなっている。

ドル/円 NY終値 111.21/111.24

始値 111.17

高値 111.44

安値 110.94

ユーロ/ドル NY終値 1.1367/1.1371

始値 1.1424

高値 1.1426

安値 1.1355

(表はリフィニティブデータに基づいています)