[フランクフルト 19日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は、ユーロ圏の中立金利がマイナスの可能性があるとする研究リポートを公表した。ECBの利上げ余地が非常に乏しいことになる。

現在、市場はECBの約10年ぶりの利上げが来年後半か2020年初めにあると予想している。

中立金利は景気を過熱も冷やしもしない金利水準。それがマイナスということは、実際の金利との差が予想より小さく、ECBが景気に悪影響を与えず利上げする余地も、有効性がある利下げの限度も小さいことを意味する。

中立金利は定義しにくいが、米連邦準備理事会(FRB)は中立金利に着目した金融政策運営をしており、中立金利付近で利上げを停止すべきと主張する幹部もいる。

ECBが公表したリポートは「われわれの(中立金利の)予想は、使用したモデルに関係なく大半がマイナスとなっている」とし、「(中立金利の)長期にわたる下降トレンドは、金融政策が将来、名目金利の下限に制限されるリスクが高いことを示唆する」と指摘した。

リポートは、必ずしもECBの見解を示すものではない、としている。