【落合陽一×石川善樹】幸福をアップデートせよ

2018/12/21
12月19日のWEEKLY OCHIAIは「幸福のアップデート」。予防医学者の石川善樹さんをゲストにお迎えし、成熟社会における幸福とは何か議論しました。
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「サザエさん」的幸福がない時代

一昔前は、一軒家を買い、車を買うという幸福な一生のイメージがあったが、現在はない。
成熟社会における幸福とは何か。
【石川善樹】僕が「Well-Being」の研究に人生をかける理由
新しい幸福の価値観を探求する「Well-Being」連載が始まった、予防医学者の石川善樹さん。
この日の「UPDATE MEETING」は、幸福観をどのようにアップデートできるか議論した。

そもそも、アップデートとは何か

「何事もネッサンスという所から、ルネッサンスに向かう。」(石川)
アップデートは、ネッサンス(誕生したもの)を新しくすることであり、他方で質を高めるアップグレードがある。
両者はトレードオフの関係にあり、そのバウンドリーを超えたものがルネッサンス。
幸福をルネッサンスしたいが唐突すぎるので、まずはアップデートしたいと語る、石川さん。
石川善樹(いしかわ・よしき)。1981年広島県生まれ。東京大学医学部健康科学科卒業。ハーバード大学公衆衛生大学院修了後、自治医科大学で博士(医学)取得。「人がよりよく生きる(Well-Being)とは何か」をテーマに企業や大学と学際的研究を行う。

幸福とは何か考えるには

「〇〇とは何かを考える時に、大きくは3つのやり方がある。」(石川)
また、〇〇は何か考えるには、自然科学・社会科学・人文科学の3種類のアプローチがある。
中でも、社会科学的アプローチで幸福とは何かを考るのが一番分かりやすい。
絶妙な比喩表現が満載。3種類のアプローチ方法解説は本編にて。
社会科学における幸福とは、簡単には
・ネガティブが少ないこと
・ポジティブが多いこと
と何を重視するかで2つに分類できる。
前者は日本に多く、幸福は運で決まると捉え、幸運に感謝する。後者は、幸福は自分でつかみ取るものであり、幸福を誇りであると感じる。

幸福観をアップデートしよう

「基準と環境要因が、ある程度一定に揃っていたのが20世紀的な成長国家。」(落合)
幸福観は、マスメディアや幼少期の教育で形成された「判断基準」と、社会生活や経済活動などの「環境要因」で決まるという落合さん。
判断基準と環境要因が多様化した現代。
単一な幸福観から脱して、多様な自分にあった幸福観を獲得するのがアップデートにつながる。
「ケインズの時代にはなかった仕事をすることによって、我々は経済成長を今も続けている。」(落合)
また、衣食住を満足させるだけの労働で成立する社会観は突破されていて、現代人は高等遊民のような生活を送っている。
それでいて、まだ幸せなことを考えるのは、アプローチが今までと異なると語る。
落合陽一(おちあい・よういち)。1987年東京都生まれ。筑波大学准教授・学長補佐 デジタルネイチャーグループ主宰。ピクシーダストテクノロジーズ代表取締役。

一仕事感を求める分業社会

番組終盤、人間しか行わない「分業」という切り口から、多様な幸福観につながる道筋を探る。
「赤」の他人は、なぜ赤いのか。
料理番組と副業人気の共通点とは。
落合さんと石川さんの辿り着いた、新しい幸福観への道筋は、ぜひ本編でご覧ください。
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次回はSP「平成のアップデート」

12月26日は年末特別版。プロピッカー8名をゲストにお迎えし、放送枠を90分に拡大します
テーマは「平成」。
新年と新元号に向けて、諸分野における平成の宿題を総整理します。
ゲスト一覧(五十音順、敬称略)
猪瀬直樹(作家)
大室正志(医療法人社団同友会 産業医)
澤円(圓窓 代表)
正能茉優(ハピキラFACTORY CEO)
高宮慎一(グロービス・キャピタル・パートナーズ 代表パートナー)
竹内純子(国際環境経済研究所理事 主席研究員)
玉城絵美(H2L, Inc 創業者/早稲田大学准教授)
松永エリック・匡史(アバナード株式会社 デジタル最高顧問)
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<執筆:潘嘉敏、デザイン:片山亜弥>