[ロンドン 14日 ロイター] - IHSマークイットが発表した12月のユーロ圏総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は51.3と、2014年11月以降で最低となった。貿易摩擦やフランスの抗議活動で新規受注が低迷した。

ロイターのアナリスト調査で最も悲観的な予想を下回った。予想中央値は52.8だった。11月確報値は52.7。

IHSマークイットのチーフ・ビジネス・エコノミスト、クリス・

ウィリアムソン氏は「相対的に暗い状況で年を終えた。製造業・サービス業の幅広い分野で、基調的な成長率が一段と鈍化したことは明らかだ」と指摘した。

同氏によると、第4・四半期のユーロ圏の域内総生産(GDP)は0.2─0.3%増となる見通し。

新規受注指数は4年ぶり低水準の50.7。前月の52.3から低下し、拡大・縮小の分岐点となる50に迫った。

新規輸出受注は3カ月連続で減少した。

12月のユーロ圏サービス部門PMI速報値は51.4。前月の53.4から低下した。ロイターのアナリスト調査で最も悲観的な予想を下回った。予想中央値は53.5だった。

サービス業の値上げ率は7カ月ぶりの低水準だった。産出価格指数は52.4と、前月の52.8から低下。

12月のユーロ圏製造業PMI速報値も51.4と、前月の51.8から予想外に低下した。ロイター調査の予想は51.9だった。2016年2月以降で最低となった。

生産指数は51.0で、前月の50.7から上昇。前月は2013年半ば以来の低水準だった。

ただ、受注と受注残高は低迷しており、製造業者の楽観度は低下している。将来の生産を示す指数は6年ぶり低水準の56.0。前月は56.3だった。

同氏は「今後の成長加速を期待できる要因は多くない」と述べた。