関税同盟残留は「一時的」 EU首脳会議声明
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EU側は、「backstopが一時的だという側面を強調した」声明を出しただけで、合意内容は何も変わっていない。まあ、化粧を施しただけ……といった解釈が一般的だ。むしろ、EU27ヶ国は、この日、再交渉の可能性を完全に否定するという点で一致している。そもそもbackstopとはセイフティーネットのようなものであり、元来から恒久的なものとして想定されていたわけではない。
EU側が、メイ首相に小さな助け舟を出したといったかたちか。バックストップ案が、一時的であるといった保証を得た事は、英議会での離脱案採決ではポジティブに働く。但し、これはメイ首相が求めていた法的保証ではなく、EU首脳の意思表明に留まっていることから効果は不透明。そもそもこの動き自体メイ首相は労働党の合意を取りにいった訳ではなく、保守党内の強硬派からの支持を取り付けるといった狙いがあると思われるので、先日保守党内の不信任案に賛同した強硬派を中心とした議員から、賛成票を取り込まないといけない。また、EUとの恒久的な関税同盟を望む、ソフトブレグジット派が中心の労働党からすると今回のバックストップ案が一時的になると言った声明については、どちらかと言うと賛成に応じにくいものであり、労働党からの造反者が増える、超党派での合意も期待しづらい。従って、離脱案採決の情勢としては厳しい状況であることには変わらないのではないだろうか。