(ブルームバーグ): ソフトバンクの新規株式公開(IPO)に関連し、国内主幹事を務めているSBIホールディングス傘下のSBI証券が顧客に過少に当選株数を伝え、訂正していたことが分かった。

同証経営企画部の緒方剛史次長によると、10日午後6時に抽選を実施。その後、当選株数や補欠当選株数を伝えたが、12日未明に訂正し、実際はもっと多く当選していたことを顧客に伝えたという。

緒方氏は、ソフトバンク株の人気がなくキャンセルが相次いだために急きょ当選株数を増やしたのではないかとの観測を否定。エラーの原因や影響を与えた口座数、金額については回答できないとしている。

今回の件を受け、SBI証では13日正午までとしていた購入の正式申し込みを午後6時まで延長、コールセンターで受け付けることを決めた。緒方次長は、「ソフトバンク株を購入したいという問い合わせが相次いでいる」と述べ、ソフトバンクを専門に対応する人員を大幅に増やした。

SBI証は9月末時点で445万口座を保有。ソフトバンクの2兆6500億円規模のIPOでは約1800億円を引き受けており、国内主幹事の1社となっている。ソフトバンクの広報担当者は、回答を控えるとしている。

13日のSBIHDの株価は一時5.3%安の2463円と反落した。東証1部の証券・商品先物取引指数は1.4%高と構成銘柄の多くが上昇する中、下げが顕著。ソフトバンクグループ株も最大で2.7%下落した。

(4段落に申込期限の延長について追加します.)

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