【貨幣の新歴史】第1回:お金はハードか、それともソフトか
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ハードマネーとソフト貨幣。ハードからソフトへと移行しているように思っていたのですが、経済思想家の多くはハード主義(金属主義)なのですね。学問としての貨幣論争は、実際の経済活動にどんな影響があるのでしょう。
それはさておき、世界には色々なハードマネーがあった。牛(キャトル)もそのひとつ。そこからキャピタル(資本)ということばが生まれたそうです。牛の頭数が富を測る基準だった。
アメリカではバックスキンが貨幣として使われ、そこから米ドルのことをバックと呼ばれるようになったとか。貨幣の歴史には色々とおもしろいエピソードがあります。
『貨幣の「新」世界史 ハンムラビ法典からビットコインまで』(カビール・セガール〔著〕、小坂 恵理〔訳〕、早川書房)を早速読みたいと思いました。イギリスを中心とした金本位制が確立する17世紀ごろから、貨幣の価値はintrinsicなものではなく、extrinsicなものであるという論が成立しつつあったことからも、
価値に立脚するものはやはり人の通貨に対する信用であるという論の方が現代の感覚に近いと言えます。
最近話題の仮想通貨について考えると、"cryptocurrency"という原義に基づいても、貨幣論的な観点からも、敢えて「仮想」と称することはあまり有効ではない捉え方です。
もっとも、貨幣の機能を本当に仮想通貨が満たしているのか、ということに今答えるとするならば、それはNOになります。
しかしながら、(ビットコインに限らない)仮想通貨の中で、ある程度の影響力を持ったコミュニティが発行するものが、その圏内で利用される状況が否定されているわけでもありません。
価値を転換できる先が法定通貨に限らなくなったこと、その通貨(トークン)の発行主体が国家に限らなくなったこと、キャッシュレスやシェアリングエコノミーの世界観が受け入れられつつある中で、
どのような経済圏が構築されうるのか、あるいはどのように貨幣の定義が刷新されるのかといった予想に立脚した主張が必要になっています。ゲオルク・ジンメルの「貨幣の哲学」は名著で、貨幣についての分析や意義について綿密に考えられたものであったけど、自分にはあまりにも難解過ぎた…
とりあえずこの「貨幣の新世界史」から学ぶきっかけにするのはいいかもしれない。
最近はBitcoinなり仮想通貨や、paypayなどの電子決済の仕組みが出てきたりして「お金」という概念の転換期になっているように思われる。
そんな中で、そもそも「お金」とは一体全体なんなんだ!と考えを巡らせることはこの資本主義経済の中で生きる全ての人間にとって知るべき重大な価値を持つ問題なんだと思う。